辺野古の豊かさを、米NGOが世界レベルと認定 保全考えるシンポジウムで
沖縄県が11日、名護市辺野古・大浦湾の保全を考えるシンポジウムをオンラインで開きました。
沖縄タイムズによりますと、登壇者は同海域の生物多様性を「世界レベル」と評価し、政府が進める新基地建設による影響に強い懸念を示し「保護の網」をかけるよう求める声が上がりました。
さらに県と登壇者は、工事を中止し、生態系保護のため、あらゆる調査を政府に求める声明を発表しました。
シンポではまた、日本自然保護協会の安部真理子主任と、日本大学理工学部の鎌尾彰司准教授が基調講演しました。
安部氏は、海洋学者として著名なシルヴィア・アール博士が代表を務め海洋保護活動をする米NGO「ミッション・ブルー」が、辺野古・大浦湾一帯を世界的に重要な海として「ホープスポット」に認定したことを紹介しました。また、生物多様性の高さで世界的に知られるハワイのパパハナウモクアケア海洋国立モニュメントの生物が151万平方キロメートルに7千種なのに対し、辺野古・大浦湾はわずか20平方キロメートルに262の絶滅危惧種を含む5300種以上いることから「生物多様性の高さが分かる」と述べました。
そして、ジュゴンやサンゴ、マングローブ、泥地などが生態系の微妙なバランスを保っていると指摘。新基地建設はその生態系に「不可逆的な変化を与えてしまう」と述べ、埋め立て海域だけではなく周辺に大きな影響を与えると警告しました。
一方で鎌尾氏は、大浦湾に広がる軟弱地盤は、海底の複雑な地形や、これまで実績のない深度であることなどから「技術的課題が多く残されている」として、政府と県が協議する必要性を指摘しました。
玉城デニー知事は冒頭のあいさつで、新基地建設工事に「人類共通の財産を地球上から永遠に消失させ、生態系へ甚大な影響を生じさせることになると強い危機感を持っている」と強調しました。
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