日本で米軍の衛生プロトコル不遵守によりコロナ再拡大、沖縄県知事「米軍が今日から外出制限とは遅すぎ」
(last modified Mon, 10 Jan 2022 11:13:48 GMT )
1月 10, 2022 20:13 Asia/Tokyo

在日米軍が衛生プロトコルを守らなかったことから、日本で再び新型コロナウイルス感染が急速に拡大しています。

日本の報道各社によりますと、同国のコロナ感染者数は、健康プロトコルの厳密な遵守と大規模なワクチン接種により3ケタ台に減少していましたが、最近では2日連続で感染者数が8,000人超にまで再び増加し、9日日曜の全国の新規感染者数は8249人に達しました。

日本は、WHO世界保健機関がコロナ新変異種・オミクロン株について懸念を表明した11月下旬以来、すべての外国人の新規入国を禁止していますが、米軍については、日本政府の規定とは独立した別の検査および検疫プログラムで日本に出入りさせています。

日本で最も多くの米軍が駐留する沖縄では、コロナ感染者数が急増しており、日本のメディアは、同県の米軍基地のでの感染者の統計数はおそらく世界最悪であると報じています。

これに先立ち、玉城沖縄県知事は、県内でのオミクロン株急拡大へに米軍が関与していることを批判し、米軍は治外法権を有することから日本のコロナ関連の保健衛生規則遵守する必要がなく、米軍のこうした特権は廃止されるべきだとしていました。

沖縄の地元紙・沖縄タイムスが東京から伝えたところによりますと、在日米軍での新型コロナウイルス感染拡大で、岸田文雄首相が外出制限を米側と合意したことを受け、玉城デニー知事は9日日曜、名護市内で取材に応じ「米軍がオミクロン株が広がった原因だと、政府も認めたことになる。対応が遅すぎる」と述べたています

また昨年12月17日に日本人基地従業員のオミクロン株感染発覚後、21日には在沖米軍四軍調整官、23日には東京の米国大使館でも感染拡大防止措置を要請した経緯を説明しました。

その上で、米軍や政府の対応について「本当に遅い。迅速に対応すべき感染症対策の手だてが全く取られていなかった」と批判するとともに「米側には猛省を求め、日本側と同様の対応を取るよう強く求めていくべきだ」と強調しました。

一方、岸田文雄首相は9日日曜のNHK番組で、不要な外出を認めない方向で米側と大筋合意したと明らかにするとともに、これに先立つフジテレビ番組で、飲食店を対象にした沖縄県の感染防止対策認証制度を巡り、非認証店の協力金の方が認証店より高く設定されていることについて検討する考えを示していました。

米軍基地での感染拡大を受け、日本は今月7日の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)などを通じて、外出制限を含む感染対策の徹底を米側に強く求めており、外務省によりますと、必要不可欠な活動には公務や通学、医療サービスなどが含まれます。

日米両政府は今月9日、在日米軍関係者の施設・区域外での行動を10日から14日間、必要不可欠な活動のみに制限するとの日米合同委員会共同声明を発表しました。

共同声明では、在日米軍は出国前と入国後の厳格な検査手続きを維持し、14日間の行動制限を厳格に実施すると明記。日米は「新型コロナ感染症の状況を継続的に監視し、必要に応じてこれら措置の調整を行う」ことも確認しました。

外出制限は「米軍が感染源」との自治体の指摘を受けた対応だが、実効性を確保できるかは見通せないとされています。

中国外務省の汪 文斌報道官も米軍に対し、諸国民の間でのコロナの蔓延に米軍が大きく影響していることに関して調査するよう求めるとともに、コロナ対策における戦略的役割や、中国がコロナウイルスを作りまたコロナ関連の情報を隠蔽しているとしたアメリカの主張を否定しました。

なお、沖縄・広島・山口の3県には9日、コロナ対応の改正特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用されています。

 


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