日米のコロナ対策に相違;米兵に日本のコロナ感染拡大は周知されず
日本での新型コロナウイルス・オミクロン株の急拡大を受け、在日米軍がマスク着用を義務化したのは6日で、基地外での活動を制限したのは10日からと、後手に回る対策に、日本との政策の違いが影響しています。
日本は、WHO世界保健機関がコロナ新変異種・オミクロン株について懸念を表明した11月下旬以来、すべての外国人の新規入国を禁止し、日本人帰国者に対しても厳しい入国制限・行動管理を徹底していますが、米軍については、日本政府の規定とは独立した別の検査および検疫プログラムで日本に出入りさせています。
こうした中、 日本政府は、在日米軍に対しても整合的な措置を講じていると説明していましたが、昨年末に起きたキャンプ・ハンセンでの大規模クラスターで、米軍が検査なしで自由に出入国していたことが発覚しました。
事態を重く見た日米両政府は今月9日、在日米軍関係者の施設・区域外での行動を10日から2週間、必要不可欠な活動のみに制限するとの日米合同委員会共同声明を発表しました。
これにより10日から24日まで、全ての米軍施設を対象とする外出制限が発令されましたが、「必要不可欠な活動」は認められており、基地内外の移動が完全に制限されるわけではありません。
在日米軍司令部は10日、日米両政府による14日間の行動制限決定を受け、制限期間中は施設・区域外では、バーやクラブ、劇場、カラオケ、ジム、飲食店での食事、国内レジャー旅行などを禁じていますが、マスク着用時は住居と基地間の移動、飲食店からの持ち帰り、店での食料品購入、公務での公共交通機関の使用、基地外居住者のランニングなどの屋外活動は認められています。
また、日本語での情報が米兵には伝わらないなどの理由で、米軍側と日本側との意識にもかなりの違いが見られるようです。
沖縄の地元紙・沖縄タイムスによりますと、オミクロン株の猛威が沖縄で明らかになってきた今月4日夕、北谷町を散策していた3人の米海兵隊員は、「沖縄で感染が拡大? 日本語の情報は入ってこないので知らなかった」と驚いた表情を示しました。
沖縄県内の基地周辺の飲食店関係者からは「米軍の規制が遅過ぎだ」と批判が上がった一方で、マスクをせずジョギングしていた空軍兵は「ジョギング中はマスクはしなくていい。陽性の可能性? 自分は健康だ」と述べています
また、ある公園作業員(82)が、「感染が拡大する前にこのような措置を取るべきで、遅過ぎる。14日間の外出禁止でどれだけ効果があるのか」と不安を口にした一方で、町内のレストランで料理をテークアウトした海兵隊員は「米国の常識は日本の常識ではないかもしれないが、基地外での行動が制限されるのはつまらない」とコメントしています。
特に感染拡大の大きい在沖米軍基地が講じた措置は今月7日時点では、午後9時から午前5時までのバーやクラブ、飲食店の店内利用を禁じる甘いもので、これについて米国防総省に電話取材すると、現地の事情に詳しい現地司令官の判断によるものとの答えが返ってきたということです。
沖縄タイムスは、「国防総省が言うように、現地司令官に現地の事情を考慮した裁量権があるならば、例えばハンセンでのクラスター発生直後、基地外居住者や日本人従業員をオンライン勤務などに移行し、短期間、基地内外の人の往来を完全に停止して基地外への感染を抑制することもできたのではないか。在沖米軍は、米国内で広がったウイルスを沖縄に持ち込み、県民が地道な努力で取り戻した平常を再び奪った」として批判しています。

