日本厚労省研究班が、ワクチン交互接種 有効性と副反応のデータを初公表
新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種で2回目までと異なるメーカーのワクチンを打つ「交互接種」について、国の研究班が有効性や副反応のデータを初めて公表しました。
NHKが19日土曜、日本の厚生労働省の発表として報じたところによりますと、2回目までファイザーを接種した人が3回目でモデルナを打つと、3回ともファイザーを打った人に比べて感染を防ぐ抗体の値が上昇した一方、発熱などの副反応が出る割合は高かったということです。
厚生労働省の研究班が分析したのは、国内で最初に3回目の接種が始まった医療従事者で、対象となった全員が2回目まではファイザーのワクチンを打っています。
先月28日までに3回目の接種もファイザーで受けた2826人と、3回目はモデルナで受けた773人について、変異する前の従来株に対する抗体の値や副反応を分析し、18日金曜、厚生労働省の専門家部会で説明がなされました。
この中で感染による抗体を持っていなかった人を対象に3回目の接種から1か月後の抗体の値が、接種の直前に比べてどれくらい上昇したかを調べたところ、3回ともファイザーを打った人は平均で54.1倍、▽3回目にモデルナを接種した人は平均で67.9倍だったとしています。
また、海外の研究結果を踏まえると、オミクロン株に対する効果も3回目にモデルナを接種した場合のほうが高いと推察されるということです。
研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授は「3回目にモデルナを接種したほうが抗体の値が上昇する一方で、副反応が出る頻度は高かったが病気休暇を取得する程度は変わりがなかった。どちらのワクチンを選択するかは効果と副反応のバランスを考えて判断してほしい」としています。
日本政府が18日に公表した最新の状況によりますと、国内で新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を受けた人は1600万9146人で、全人口の12.6%となっています。3回目の接種を受けた人のうちファイザーのワクチンだったのは1150万6498人で71.9%、モデルナのワクチンだったのは450万2648人で28.1%となっています。全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。