視点
米核兵器の配備・共同運用案を拒否した日本
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米核兵器の配備
日本の岸田首相が、アメリカの核兵器を配備して共同運用するいわゆる「核共有」に関する提案を、「認められない」として明確に否定しました。
岸田首相は、安倍元首相が発言した、日本国内にアメリカの核兵器を配備して共同運用するいわゆる「核共有」案について反応し、「非核三原則を堅持するという我が国の立場から考えて核共有は認められない」と述べています。
広島1区から選出された議員でもある岸田首相は、核兵器不拡散の方針を支持しており、核兵器のない世界の実現要求を明確にアピールしています。
岸田首相が日本国内でのアメリカの核兵器配備に反対したことは、日本が第2次世界大戦後に掲げている戦略の枠組みでのものです。
日本は、第二次世界大戦時に広島と長崎に核爆弾を投下され、この二都市は焦土と化したことから、戦後はこれを受けて「持たない、作らない、持ち込ませない」とした非核三原則を国是として掲げており、現在までもこれは守られています。
国内でのアメリカの核兵器配備に日本が反対したのは、非核三原則に基づく戦略に沿ったものとして解釈されるとともに、国内でアメリカとのあらゆる軍事協力拡大や、通常の範囲を超えた協力という局面に入ることが、日本国内で物議をかもしているという状況も踏まえています。
近年において、日本国内の米軍基地の存在は、米兵の犯罪をはじめとした様々な理由により、常に日本国民から槍玉に挙げられ、また日本国民は国内での米軍の駐留の終了を求めています。
日本国民が在日米軍の駐留に反対しているにもかかわらず、昨年11月末に日本政府関係者は、2022年度からの駐留米軍の受け入れ負担金の増額というアメリカの要請に同意しました。
もっとも、ここで注目すべきことは、日本政府が取るアメリカとの軍事・武器面での協力拡大措置が、どのようなものであれアメリカの同盟国が行う措置として受け止められ、極東アジアの近隣国の反発を受けるだろうということです。
日本とアメリカと軍事・武器面での協力に神経を尖らせ、これを自らの国益への脅威とみなしている国には、中国と北朝鮮が挙げられます。
特に中国と北朝鮮の政府から見て、これまで以上に極東アジア地域へのアメリカの進出拡大につながるような日本の措置はすべて、自国の利益に反するとともに、地域の安定や平穏の原則とも矛盾するものです。
アメリカは近年、日本や韓国との戦略的協力を拡大する政策を追求してきたことに加えて、同時に北朝鮮にとって新たな問題を生み出したほか、台湾や南シナ海、香港などにおいては特に中国にとっての問題を引き起こしています。
このため日本政府は、地域や国内が敏感になっていることも考慮に入れると、国内への米核兵器の配備をはじめとした対米戦略的協力拡大問題において特別な不安と向き合うことになり、当然ながら岸田首相はこれに関するアメリカの提案を明白に否定したというわけです。
岸田首相は、国内への米核兵器配備が、日本の国力強化につながらないのみならず、国内世論の敏感な部分を逆なでするとともに、これまで以上に日本と近隣諸国の関係を悪化させるであろうことを熟知しているのです。

