普天間基地の騒音訴訟で、那覇地裁が国に約13億4000万円の賠償命じる
3月 10, 2022 20:27 Asia/Tokyo
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沖縄のアメリカ軍普天間基地
沖縄のアメリカ軍普天間基地の周辺住民が騒音被害を訴えた裁判で、那覇地方裁判所沖縄支部が、国に対しておよそ13億4000万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
NHKによりますと、この裁判は4年前、普天間基地の周辺に暮らすおよそ2800人が、軍用機による騒音によって睡眠が妨害されるなどの被害が出たとして、国に対しておよそ12億円の賠償を求めたものです。
その後、およそ300人が追加で提訴しました。これまでの裁判で、国は訴えを退けるよう求めていました。
10日木曜の判決で、那覇地方裁判所沖縄支部の足立堅太裁判長は「騒音で生活や睡眠が妨害され、事故への不安感といった精神的被害も受けている」と指摘しました。そのうえで「軍用機の活動がもたらす利益は国民全体が等しく享受しているもので、こうした利益のために住民に精神的苦痛の受忍を求めることは、国民一般との関係で著しく不公平を生じさせることになる」などとして、国に対しておよそ13億4000万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
この判決により、騒音の程度に応じて1人あたり月4500円、或いは9000円が支払われます。
判決の後、原告団の記者会見で山城賢栄団長は「アメリカ軍機の騒音は提訴した時よりもますます厳しくなっており、裁判所が示した額に我々は満足していない。弁護士と相談して今後どうするか決める」と述べました。
なお、沖縄防衛局は今回の判決について「損害賠償請求の支払いを命じた判決について、裁判所の理解を得られなかったと受け止めている。判決の内容を踏まえて、今後の対応については慎重に検討し適切に対応していく」とコメントしています。
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