東京杉並区に原稿を書き上げるまで出られない、「原稿執筆カフェ」が開店
東京都杉並区高円寺に、原稿の締め切りに追われている人専用の「原稿執筆カフェ」が開店し、話題を呼んでいます。
このカフェ入店のルールは、「『原稿執筆カフェ』は締切に追われてない人は入場できません!店内の緊張感維持のためご理解とご協力をお願いいたします」ということになっています。
店内に足を踏み入れると、切羽詰まった人々が集まる緊張感が漂い、終わるまで帰れない、という厳しいルールのおかげで、作業がはかどりそうな雰囲気です。
このカフェのオーナーの川井拓也氏(52)によりますと、同店はライブ配信・撮影スタジオ「高円寺三角地帯」の閑散時間帯を活用した、不定期営業のコワーキングスペースで、雑誌や書籍の執筆、翻訳作業、企画書作成、校正作業といった原稿執筆を目的とする人だけが利用できることになっています。
目的があくまでも原稿執筆に限定されていることから、店内のルールも独特で、利用者は入店時に「何時までにどれだけの分量を書くか」といった作業目標の記入を求められ、これを達成するまで退店できないことになっています。
さらに、利用中は1時間おきに店長から進捗状況を尋ねられるルールもあり、催促されることでやる気の出る人に適しているといえそうです。
さて、実際に利用者の方々の感想を聞いてみると、詩人・作家のある女性(37)は「私は仕事の約80%を終えました。他に不必要なことをせずに記事の執筆に集中できるのがよいと思います」と話していました。
また、ある中国人の利用客は「最も重要なことは締め切りの問題です。オーナーさんは、それは誰もが抱える問題点だと仰っています。誰もが家族の愛情を必要としているように、(締め切りに間に合わせる)必要性は世界に共通すると思います。日本人、そのほかの国の人も、誰もが締め切りが迫っている時にはこうした切羽詰った瞬間に遭遇するのではないでしょうか。ですから、将来的には(このカフェ)が海外にも支店を出せたらいいのでは、と思います」。