愛知の工業用水施設で漏水、131事業所に給水停止の恐れ
愛知県豊田市にある県の工業用水の取水施設で大規模な漏水が起こり、全く取水ができなくなりました。
日本の報道各社が愛知県の発表として報じたところによりますと、日本時間の17日火曜未明、愛知県豊田市にある矢作川から水を引き込む県の工業用水の取水施設で大規模な漏水が起こり、仮設のポンプを設置するなどして対応に当たってきましたが、18日水曜午前4時45分ごろには全く取水ができなりました。
今回、問題が起きているのは、愛知県豊田市水源町の矢作川に設置されている「明治用水頭首工(めいじようすいとうしゅこう)」と呼ばれる取水設備です。
この取水施設では2015年から耐震工事が行われていますが、漏水の原因は特定できていません。
今のところ復旧のめどは立っておらず、県は浄水場にためている水がなくなり次第、給水が止まる見込みだとしています。
この水道は、豊田市や刈谷市、安城市など西三河地域の12の自治体にある131の事業所に工業用水を供給していて、多くは自動車関連の大企業の事業所だということです。
企業庁は原因究明とともに当該企業に対し、工業用水の使用量を可能な限り削減するよう呼びかけています。
愛知県は、取水口を管理する東海農政局に対して、十分な取水量を確保できるだけの仮設ポンプの設置を求めるとともに、水道を利用している事業所に影響が出ないか、把握を急ぐことにしています。
今回のトラブルを受けて、自動車メーカーや部品メーカーでは、工場で使用する水に井戸水を活用するなどの対応をとっています。
今回の漏水の対応にあたっている東海農政局農地防災事業所の大坪寛次長は、「川の地下に水が通る道ができてそこに水とともに土砂が流れ込みだんだん大きくなったのではないか」と話し、水の道を防ぐための対策については「検討中で一日も早く行いたい」とコメントしました。