May 19, 2022 21:34 Asia/Tokyo
  • 福島第一原発の「処理水」
    福島第一原発の「処理水」

「核の番人」とも呼ばれるIAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長が、福島第一原発を訪れ、「処理水」の海洋放出に向けた準備の状況などを視察しました。

地元メディアの福島中央テレビによりますと、福島第一原発の「処理水」を希釈して海に放出する計画について、IAEAは国際的な基準からその安全性を評価しています。

訪日中のグロッシ事務局長は19日木曜、福島第一原発を訪れ、廃炉の状況や処理水の海洋放出に向けた準備の状況などを視察しました。

グロッシ事務局長は、取材に対し「実際にこの目で見て、期待以上の進捗状況であるということで感銘を受けている」と語りました。

IAEAは、来年春をメドとする海洋放出の前に、これまでの調査を踏まえた報告書を示す意向です。

一方、福島原発の処理水の海洋放出計画に対し、近隣国である中国と韓国は強く反対しており、両国は福島などの県産食品に対する輸入規制も継続しています。

韓国政府は処理水を「汚染水」と呼び、放出方針に「最隣国であるわが国との十分な協議や了解のない一方的な措置だ」と反対し、日韓会談などで、この問題をたびたび提起しています。

また、中国も「断固とした反対」を表明しており、「隣国を含む国際社会の懸念にまじめに応え、できるだけ早く海洋放出の決定を撤回して準備作業を停止すべきだ」と訴えています。

さらに、中韓と比べ親日色の濃い台湾でも、安全性を不安視する声は根強く、解禁の是非をめぐるメディアの論調も割れています。

特に台湾最大野党の国民党は「民進党政府は台湾人の健康を顧みず、『核食』(放射能に汚染された食品)の開放を急いだ」として、被災地食品の輸入に断固反対を続ける考えを表明しています。 

 

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