東大が修復能をもつ培養皮膚付きロボットの開発に成功、世界初
6月 11, 2022 16:18 Asia/Tokyo
東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授らの研究グループが、生きた皮膚を持つ指型のロボットの開発に成功しました。
東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授、河井理雄大学院生(研究当時:修士学生)を中心とした研究グループはこのほど、人の皮膚細胞から作製される「培養皮膚(注 1)」を利用し、細胞由来の生きた皮膚を持つ指型のロボットを開発しています。
このロボットは、傷ついても細胞増殖で自己修復する力を持っています。
ロボットの表面はシリコンゴムで覆われていることが多く、傷つくと元に戻らず、内部の熱を逃がしづらいなどの課題がありますが、今回開発した技術は義手や培養皮革などにも応用できる可能性があるとされています。
このロボットは筋肉や皮膚、感覚組織などの生体組織を素材にしたもので、「バイオハイブリッドロボット」と呼ばれ、修復能力や感度の高さなどで産業応用が期待されます。
もっとも、今後の課題として機能性の向上が指摘されています。
なお、現在は神経や血管などは再現されていないものの、竹内教授は「機能を追加することで、センシングなど生物の機能を持つ人間らしいロボットなどへ応用を目指したい」と語っています。
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