4月 28, 2024 14:29 Asia/Tokyo
  • なぜイスラエルは、全米の大学運動を恐れるのか?
    なぜイスラエルは、全米の大学運動を恐れるのか?

英ロンドンに拠点を置くアラビア語ニュースサイト「ライ・アルヨウム」のアブドルバーリー・アトワーン編集長は、最近の論説記事で全米の大学に広がる反イスラエル運動を取り上げ、この運動を反ユダヤ主義だとしたイスラエルのネタニヤフ首相を指して「これまで生きてきた中で、これほど恥知らず人物を見たことがない」と批判しました。

ネタニヤフ氏の世論操作は崩壊

アトワーン氏はこの記事で、「ネタニヤフ氏はアメリカを熟知している。それゆえ、いま全米の大学で起きていることがイスラエルのアパルトヘイト政権崩壊まで続きかねいと理解している。ちょうどベトナム戦争下のアメリカやアパルトヘイト時代の南アフリカで起きた出来事のように」と記しました。

アトワーン氏によると、ネタニヤフ氏は自身がブレア英元首相とともに資金を出して設立した「ハスバラ」を世論操作のための最大の功績と考えていたものの、現在全米各地の大学で表現の自由が脅かされている中で、急速にその功績を失いつつあります。アトワーン氏はそれがひとえに「ガザ市民の抵抗の賜物」であるとしています。

いま米国の学生たちが大学で起こしている「革命」は、パレスチナの公正な理念を米国内の問題・世代を超えた政治的テーマとして認知させ、正義、自由、ジェノサイド・アパルトヘイトの停止のための闘争に昇華させました。

 

イスラエルが全米の大学運動を恐れる理由

アトワーン氏は、ネタニヤフ氏をはじめとするシオニストらが、いまの全米の大学で起きている運動が欧州や西アジアにも波及することを懸念しているといいます。

ここで、シオニストらがそのような懸念を抱く理由をいくつか挙げることができます。

1つ目は、これまでシオニスト・ロビーの巣窟であった各大学でこのような運動が起きたことは、アメリカの若い世代がこれまでの世代とは違って、シオニストの嘘には騙されないことを意味するからです。ここで注意しなければならないのは、現在パレスチナ支持運動に参加して弾圧・逮捕されている学生は中流階層ではなく、政治家や富裕層の子供だということです。つまり、彼らが将来のアメリカを担っていくことになるのです。

2つ目は、この運動には大勢のユダヤ人学生も参加していることです。このことが、運動を「反ユダヤ主義」とするネタニヤフ氏らの嘘を暴いています。

3つ目は、今回の運動が、これまで続いてきたシオニストらによる米国メディア・世論の支配を崩壊させ、親イスラエルに向けた世論操作を困難にしていることです。

4つ目に、イスラエルへの軍事支援を続けることが米国の利益にならないことに多くの人々が気付いたことがあります。イスラエルへの支援を続けることで、米国が戦争に巻き込まれ、税金がイスラエルへの武器に使われることに、多くの市民が疑問を持つようになっています。

アトワーン氏は記事の中で、全米各地の大学で起きている運動に対する最大の侮辱は、イスラエルのベングビル治安相が、米国を含む各国にユダヤ人団体を保護するための民兵組織を設立することを要求したことだとしています。

ベングビル氏がこのような要求をしたことは、シオニストらが欧米諸国に対し、自らの利益を守る上でその能力に疑念を持っていることを示しています。1948年のイスラエル「建国」に役割を果たし、以降その存続に尽くしてきた欧米諸国は、このベングビル氏の要求を今まさに叶えているところなのです。

全米各地の大学で起きている運動は、シオニストらの本当の顔を暴き、イスラエル崩壊へのカウントダウンを開始させました。学生たちが起こした「革命」は世界を揺るがし、平和と安定を守り、虐げられる者たちを助ける新しい国家を生み出す原動力となります。そして、運動は欧州や西アジア、新興国にも波及し、パレスチナにおける正義実現を支持してくでしょう。

 


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