イエメンでの停戦延長の不成立による影響
イエメンで2回の停戦延長の後、双方の交戦勢力は停戦を延長できず、今月2日に期限切れとなりました。
ハージー・イラン外相政務顧問と、国連のハンス・グルンドベルグ・イエメン担当特使はオンライン協議において、イエメンでの再度の停戦成立に向けた努力を求めています。
イエメンでの停戦は、サウジアラビア主導アラブ連合軍による対イエメン戦争の 7 年目の終わりに、国連の仲介によって成立しました。この停戦は 、去る4月2日に2か月間成立し、その後2回の延長により6か月間継続されています。
グテーレス国連事務総長によりますと、停戦が実施された一方で、イエメンは7年間の戦争の結果として世界最悪の人道危機に直面していました。
停戦を成立させた目的は、まず戦争を止めさせ、次にイエメン人に人道援助を送る可能性を作ることでした。それにもかかわらず過去6か月間、イエメンはサウジ側が停戦条件を遵守していないと繰り返し発表してきています。サウジ側はイエメン西部フダイダ港の封鎖解除を拒否し、矛盾した対処により人道援助の送付を許可したものの、実際にはイエメンの人道危機の軽減にそうれほど奏功しませんでした。
さらに、停戦はイエメン産原油の販売にはつながりませんでした。
これらの理由に着目し、首都サヌアを本拠とするイエメン救国政府のヒシャム・シャラフ外相は、サウジ側がイエメン危機の解決策の模索に真剣ではなく、表面的に停戦延長を要求しているだけであると表明しました。
そして、最後の要点はイエメンでの停戦の失敗が、同国の人道状況の悪化を加速させ、サウジとUAEアラブ首長国連邦に対するイエメンの新たな攻撃を引き起こす可能性がある、ということです。
この点に関して、イエメン軍のヤフヤ・サリア報道官は、UAEとサウジにある各石油企業に、可及的速やかにこれらの国から撤退するよう警告しました。
サウジアラビアは2015年3月から、複数のアラブ諸国と連合軍を結成し、またアメリカの支援とゴーサインにより、アラブ圏最貧国のイエメンに対する大規模な攻撃を開始しました。
これらの国は、イエメンに対する7年間の侵略および、数千人もの殺害、さらには同国のインフラの破壊の挙句、自らの目的を全く達成できていません。
また、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦の領内の奥深くまでイエメン武装軍のミサイルと無人機が打撃を与えたことから、アラブ連合軍は停戦受諾を余儀なくされました。
OMCT拷問に反対する世界組織も報告の中で、「サウジ主導アラブ連合軍は、イエメン封鎖により、同国の国民の飢餓の主な要因となっている」と表明しました。