視点;エマーディー解説員
ガザ4日間の一時停戦・イスラエルが合意した理由
シオニスト政権イスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃は47日目にして、イスラエルとハマスが4日間の一時停戦で合意しました。
この合意では、ハマスが50人のシオニスト捕虜を解放し、イスラエル側も150人のパレスチナ人を解放することになったほか、ガザへの支援物資搬入も認めることになっています。
今回の合意はカタールが仲介し、アメリカも同意したことで成立しました。合意成立の第一の理由は、これまでハマスの利益になるとして停戦に反対していたアメリカが賛成に回ったことです。
また、イスラエルが自らの軍事目標つまりハマス壊滅を達成できなかったことも要因のひとつです。ネタニヤフ政権はハマスに拘束されている人質を自力で発見・解放することができず、病院や国連が運営する学校などを人質が捕らえられている場所だとして攻撃してきました。人質解放が難航する中、シオニスト市民らがデモを行い、停戦や人質の解放を訴えていました。
他にも、国際世論による停戦圧力も挙げられます。各国でイスラエルによる大量虐殺に抗議するデモが大々的に行われ、その矛先はイスラエルを支持するアメリカにも向けられています。これにより国内世論の圧力にさらされたアメリカ政府は、ネタニヤフ政権に停戦受け入れを迫ったのです。
今回の一時停戦合意は、イスラエルが当初掲げていた目標を達成できなかったことを意味します。イスラエルはこの47日間、連日ガザ市民を爆撃してきましたが、抵抗勢力を壊滅させることも人質を奪還することもできず、ハマスの提示した条件を受け入れざるを得なくなりました。パレスチナ側は停戦と150人の捕虜の解放を勝ち取りました。これはハマスがイスラエルに自らの条件を飲ませることに成功したということです。それに対し、ハマスからイスラエル側に解放される人質の数は50人にとどまり、イスラエル世論の鎮静化を図るのになんとか届くかどうかの成果となりました。解放後も依然としてハマス側には200人の人質が残っており、ハマスはこれを有利なカードとして利用できることになります。
当初目指した目標に到達できないまま停戦に合意したことは、シオニスト政権にとって新たな敗北であり、そのことは現役の閣僚も認めています。ネタニヤフ内閣のベン・グヴィール治安相は停戦合意に不満を示し、「我々はまたもや分断に直面している。政府は再び大きな過ちを犯そうとしている。いかなる捕虜交換の合意も悲劇であり、戦時内閣の愚かさを示すものだ」と述べています。