ヒズボッラー・イスラエル間の最近の緊張に関する見方
米当局者らが、シオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相が米国批判を展開したことにより、事態はレバノンとイスラエルの境界付近の緊張緩和に向けた外交努力を無にする方向に導かれる可能性があるとの見解を示しました。
【ParsToday西アジア】バイデン政権の当局者ら3人は、ネタニヤフ首相の行動が米・イスラエル間に緊張を引き起こし、その結果として、特にレバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーとイランにとって有利になるのではないかと懸念を口にしました。イスラエルのメディアは「対イスラエル戦線の統合および、対ガザ支援継続というヒズボッラーの影響力が強まる中、アモス・ホッホシュタイン米エネルギー担当特使はレバノンから手ぶらでイスラエル占領地テルアビブに戻った」と報じました。
数日前、ホッホシュタイン氏はレバノンのベッリ国会議長との会談後に記者会見し、「米政府はヒズボッラーとイスラエルとの境界地域における衝突後、より大きな戦争の勃発阻止にむけ努力している」とし、レバノンとイスラエルの境界沿いが危険な状態にあると述べました。
一方、レバノンのミカティ首相はホッホシュタイン特使との会話の中で、「イスラエルは何よりも先ず、レバノンに対する侵略および、わが国に対する継続的な国家主権侵害を止めるべきだ」と語りました。
ミカティ首相はその上で、「我々は緊張激化の阻止、安全と安定の回復、イスラエルによるレバノンの国家主権の継続的な侵害やシオニストが起こした組織的な犯罪・破壊行為の阻止に向け、引き続き努力する」と強調しました。
また、キプロス大統領も、同国に対するヒズボッラーのナスロッラー事務局長の最近の警告に反応し、「キプロスとしてガザと南レバノンに対するイスラエルの戦争の参戦者には決してならない」と表明しました。
ナスロッラー事務局長は最近、「キプロスが自国の空港やインフラをイスラエルに提供しようとするなら、それは戦争の一部に等しい」として警告しました。
こうした中、レバノンの報道機関は20日朝、イスラエル軍戦闘機がレバノン南部アル・ヒヤム近郊の複数箇所を標的に再び爆撃したと報じました。
前日の19日には、ヒズボッラーが占領下のパレスチナ北部におけるイスラエル軍の拠点に対して9回の作戦を実施したと発表しました。
ヒズボッラーはまた、占領下のカフル・ショバ(クファルチョーバ)高地にあるイスラエル軍のアル・ラムサ、アル・サマカ、ザバディンの各軍事基地を標的にロケット弾攻撃を実施しました。
これに関連して、レバノン情報筋は今月20日、イスラエル戦闘機がレバノン南部アル・リハン地区の高地を爆撃したと発表しました。
ガザ地区でのイスラエルの恐ろしい犯罪とパレスチナ人大量虐殺を受け、ヒズボッラーはここ数カ月、イスラエル占領地北部にある同政権の軍事拠点を攻撃してきました。これにより、これらの地域に住むシオニスト入植者は恐怖感に怯えています。