イエメンによる無人機攻撃でイスラエルとその支援者が注意向けるべき6つの点
シオニスト政権イスラエル占領地内の町テルアビブが19日金曜、無人機による攻撃を受け、1人が死亡・7人が負傷しました。
人々から支持されるイエメン軍のサリーウ報道官(左)と、イスラエル政権のパレスチナ侵略を支援するオースティン米国防長官
イエメン軍はこの攻撃の後、これが同軍の無人機・ヤーファーにより行われたことを発表しました。ヤーファーは、シオニスト政権イスラエルに占領されているテルアビブの本来のアラビア語名です。
ステルス機能を持つイエメン製無人機のヤーファーは、高度な迎撃システムもすり抜けることができ、約2000キロメートルの飛行が可能です。イスラエルメディアは、今回の攻撃に使われた無人機が大型のものであり、低空飛行で海側からテルアビブに接近して、あらゆる防衛システムを掻い潜って市内の建物に衝突したと伝えています。イスラエル当局者やその西側同盟国は、この攻撃により大いに怒りを掻き立てられました。
ParsTodayのこの記事では、イスラエル政権の支援者がこの攻撃に関して注意を向けるべきいくつかの重要な点を説明していきます。
イエメンによるの恐ろしい攻撃の継続
今回の作戦は、イスラエル政権が首都と主張するテルアビブに対しイエメンのシーア派組織アンサーロッラーが行った最初の攻撃です。
イエメン軍はこれに先立ってイスラエル政権に対し、ガザへの攻撃と非人道的なその封鎖、そしてガザ住民の虐殺を停止しなければ、同政権の船舶およびその占領地に荷を運ぶ船舶への攻撃、そして紅海にいるイスラエル支援国連合軍への攻撃を続け、さらにイスラエルの内部も攻撃対象にしていくと表明していました。
イエメン軍報道官はこれに関連し、「我々は、敵たるイスラエル政権の域内の戦線に注力し、同政権の深部を攻撃していく。我々は占領下にあるパレスチナ領土に、(イスラエル政権にとって)軍事上・安全保障上重要な多数の攻撃先を持っている。そして、ガザの戦士とアラブおよびイスラム共同体の擁護者を引き続き支援し、戦争およびガザの封鎖が終わるまで、作戦を続けていく」と強調しました。
域内の安全保障・軍事管理の危機に直面するイスラエル政権
アンサーロッラーの今回の攻撃により、イスラエル人の戦争拡大への恐怖は占領地の境界付近から中心地へと移り、それによって、戦争終結に向けたネタニヤフ首相への内部からの圧力も再び高まりました。イスラエル政権当局者らは、攻撃当初は驚きを見せるのみでしたが、その規模が明らかになるにつれて、さまざまな反応を示し始めました。
例として、イスラエル政権のイタマール・ベン・グヴィル安全保障大臣は、「テルアビブに攻撃を受けたことはあらゆる戦線で負けたに等しい」としました。イスラエルメディアも、今回の攻撃の規模に言及して、「陸海空の監視システムは、無人機を上空域内に入ってからテルアビブに到着するまで監視できなかった。これは大きな作戦上の過ちだ」と評しました。前出のベン・グヴィル大臣はまた、「イスラエルの越えてはならない一線が超えられた。(イスラエル政権占領地北部の)キリヤット・シュモナと(ガザ北部の)スデロットで攻撃をコントロールしようとしている者たちは、テルアビブで攻撃を受けるだろう」と述べ、新たな政策を可決すべく戦争評議会を開くよう求めました。
効果のないアメリカのイスラエル支援
アメリカは、イエメン攻撃への抑止力のために同国を世界的脅威であるとする多くのプロパガンダを展開して、他の国々を攻撃に巻き込み、イスラエル政権を世界で守るようにしようと企みました。しかしこの作戦は、アメリカのイスラエル政権支援政策が決定的に失敗していることを示すものであり、今回の無人機攻撃は実際に、アメリカがイスラエル政権の安全を確保できていないことを改めて証明しました。
パレスチナ領土内で安全な場所ないイスラエル支援者
イエメンのイスラエル政権に対する無人機攻撃は、無人機が衝突した場所がアメリカ大使館から約100メートルという近い距離だったことから、同国に対する警告にもなりました。この攻撃は実際、アメリカとその西側同盟諸国に対し、イスラエル政権の侵略的政策から手を引き、戦争およびパレスチナ人虐殺の終結への道を開くように警告する重大なものだったのです。
戦争の拡大により早まるイスラエル政権の解体
今回の攻撃を受けて、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスは声明を発表し、パレスチナ民族を支援すべく実施されたアンサーロッラーの攻撃が素晴らしいものだったとしながら、「アンサーロッラーの兄弟たちがイエメンで、また、レバノンとイラクの抵抗の戦線で行っていることは、地域におけるシオニスト政権イスラエルのファシスト的な侵略行為に立ち向かうという抵抗勢力およびパレスチナ民族が持つ基本的権利であるとともに、同政権の植民地支配からの脱出に向けた民族の団結と運命の共有を確認する行為である」としました。
一方、レバノン議会の抵抗勢力に近い派閥のメンバーであるハサン・ファズロッラー氏は、「テルアビブに対するイエメン軍の攻撃は、彼らの徹底的な攻撃からは免れることができないというイスラエル政権への明確なメッセージである。イエメンは、敵やその支援者のすべての警報や技術を回避するような攻撃を行うことができる。同政権は、大規模かつ多くの戦線にわたる戦争に突入した場合、自身の状況がどうなるかを理解すべきであろう」と強調しました。
抵抗戦線による新たなパターンの創出
イスラエル政権当局はこの数か月間、攻撃的な政策を継続してガザでのパレスチナ人虐殺を主張し、戦争終結に向けての交渉に応じませんでした。イエメン軍はそのために今回の攻撃で、パレスチナが単独ではなく、イスラム諸国が常に自らの権利を守ることを示し、新たなパターンを示して見せました。これに関連して、アンサーロッラーの政治局員であるハザム・アル・アサド氏は、「我々は敵に対する作戦において新たな戦略的段階に入っている。敵たるイスラエル政権の者たちは、すべての占領地において不安を感じているだろう」と警告しています。