ガザ戦争の長期化でさらに深まるイスラエルの内紛
ガザ戦争の継続・長期化に伴い、シオニスト政権イスラエル内部では見解の対立や不満が大幅に増大しており、シオニスト当局者らが互いを嘘つき呼ばわりする事態にまで発展しています。
【ParsToday西アジア】イスラエル最大野党の指導者ヤイル・ラピド氏は27日、ガザ戦争におけるイスラエル側の実際の死傷者数について、「これまでにイスラエル兵1万1000人が負傷し、890人が死亡した。この数字には前日に死亡したイスラエル兵13人は含まれておらず、実際にはさらに多い」と語りました。
ラピド氏はイスラエル軍の被害について「無視できない」とし、「軍は統計を発表しない。これらは死傷者数の実際のデータである。すべてのものには限度がある。現実とは異なる発表を我々はどこまで受け入れられるというのか? これらのデータを疑うなら、複数の病院をのぞいてみてほしい」と訴えました。
さらに、ネタニヤフ内閣の行動ぶりを批判し、ベン・グヴィル治安相の在任中にイスラエル市民への襲撃事件が増えたことに触れ、ベン・グヴィル氏を「治安悪化大臣」と皮肉りました。
イスラエル政府をめぐっては、ハマスに囚われたままになっている捕虜家族が、10月7日にちなむ記念式典に出席したネタニヤフ首相に激しく抗議するなどしています。
ネタニヤフ政権の閣僚の間ではここ数日で意見の対立が深まっており、ガザとレバノンでの戦況の進展を理由に激しく批判されています。
ガザ戦争続行を支持するベン・グヴィル治安相やスモトリッチ財務相など、ネタニヤフ内閣の過激派シオニストらの緊張扇動も、イスラエル占領地内の危機を悪化させています。イスラエル軍司令官らが戦争による結果と占領地への影響について警告している一方、極右シオニストはガザでの戦争継続と対レバノン戦争の拡大を望んでいます。
ネタニヤフ首相に対するシオニスト捕虜の家族による抗議活動は、イスラエル占領地内での不満が高まり続けていることを示しています。しかし、ネタニヤフ首相は、パレスチナ、レバノンおよびこれらの地域の抵抗勢力がシオニストに取り返しのつかない打撃を与えている現状において、ハマスのガザからの駆逐を約束することにより、イスラエルの好戦主義姿勢を拡大し続けています。
ガザ戦争の継続はイスラエル占領地域における内紛激化を招いており、イスラエル当局は戦争関連の統計が虚偽であることを認めざるを得なくなっています。
さらに、占領地内での抗議活動が激化している原因として、ネタニヤフ首相が捕虜問題を解決できていないことが挙げられます。ネタニヤフ首相と同氏に反対する閣僚らとの間の対立や占領地での抗議活動により、イスラエル政権の危機的状況はさらに激化すると思われます。
加えて、欧米諸国全域でも市民活動家やパレスチナ市民の支持者らがイスラエルによる残虐行為や大量虐殺に反対する数多くの集会を開催しており、このことはパレスチナ国民の状況について世論の覚醒を引き起こしました。
地域の情勢変化における主な敗者は、今や深刻な内部危機に直面し国際世論からも非難されているイスラエル自身だといえます。