イスラエル市民の逆移住増加:ネタニヤフ内閣の好戦主義の結果
イスラエルの第12チャンネルTVが、ハマスによる攻撃があった昨年10月以降、大半のイスラエル市民は政権に対する信頼を失い、占領地を安住の地とは考えなくなったと報じました。
【ParsToday西アジア】そもそも、過去80年間におけるイスラエル政権の最重要課題の一つは、自らがパレスチナの土地の先住民ではなかったことでした。そこで、シオニストが牛耳るイスラエル政権は、人口問題を補うべく世界中のユダヤ人に占領地への移住を奨励し、移住にあたって福利と安全の2つを約束しました。
しかし、戦争と情勢不安が拡大する今、イスラエル人口の大部分は常に、自分たちが元々いた国に戻ることを考えるようになりました。
当初約束された福利と安全という夢は、イスラエル現政権によるガザおよびレバノンに対する虐殺によって水泡に帰しました。それは、イスラエルの犯罪に対抗して、パレスチナとレバノンの抵抗組織も占領地を繰り返し攻撃し、それが広範な情勢不安を増大させているからです。つまり、イスラエル市民による逆移住の大部分は、イスラエル政権と抵抗勢力との頻繁な戦争によるものだといえます。
イスラエル現政権による絶え間ない戦火により占領地に影を落としている治安の低下は、日増しにその影響を露わにしています。実際、昨年10月からの1年間で50万人のシオニストが占領地を離れました。
ガザ地区に隣接するシオニスト入植地が無人となったほか、レバノン近郊の入植地からも20万人近くが離れ、占領地内の中心部やテルアビブに避難しています。
イスラエル紙「エルサレム・ポスト」は、「イスラエルは史上最大規模の人口流出・逆移住に直面している。実際に、今年最初の7カ月間で4万600人が占領地を離れた」と報道しました。この数字は1カ月あたり2200人が逆移住している計算になります。
同紙はその上で、「逆移住は財産、大学の学位、職業スキルをも流出させていく」と指摘しています。
こうした中、「ユダヤ・インフルエンス・センター」による世論調査からは、今日のイスラエル社会の複雑な現状が浮き彫りになっています。この調査によると、現在イスラエル在住者のうち29%の人々が占領地外への移住を考えており、71%は今後数カ月間の占領地での生活を楽観視していないことが明らかになっています。
ネタニヤフ首相や政権内の極右派の閣僚らは広範なプロパガンダに走り、ガザに対する1年間の戦争と現在進行中のレバノンに対する戦争の勝者を偽装しています。しかし、社会の現実はある特別な形で、この戦争がシオニスト政権にとって大きな代償を生じさせたことを示しています。逆移住の増加など、こうした代償の一部は既に表面化しており、さらにはこれらの影響の別の部分が今後も現れると見られています。