自殺、薬物、アルコール… イスラエル社会を蝕む精神疾患
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自殺、薬物、アルコール… イスラエル社会を蝕む精神疾患
2022年4月時点で覚せい剤を使用しているイスラエル人の割合は22.7%でしたが、昨年のガザ戦争の勃発以降、この割合は急増しています。
【ParsToday西アジア】現在のイスラエルにおいて、自殺や薬物は大きな社会問題になっています。ユダヤ教やシオニズムに詳しいイランのアリー・マアルーフィー・アーラーニー氏はメフル通信への寄稿で「ガザ戦争の勃発以降、アルコールや薬物中毒を患うイスラエル市民の数は25%増加した」と記しました。
それによると、昨年11月・12月にイスラエル内で実施された調査の結果、同年10月7日に起きたハマスによる攻撃とそれを機に始まった戦争以後、イスラエル市民の間でアルコールや薬物摂取が180%、睡眠薬や精神安定剤の使用が70%増加したことが分かりました。
イスラエル社会で薬物摂取が浸透しているのは今に始まったことではありません。英国の機関が2012年に実施した調査によると、イスラエル兵の間で薬物を使用していると回答した割合は22%で、1993年から4倍に増加しました。
また、2021年にはイスラエル紙「エルサレム・ポスト」が、イスラエル軍の間で最も流通している薬物はハシシだと報じました。
2022年4月時点で覚せい剤を使用しているイスラエル人の割合は22.7%でしたが、昨年のガザ戦争の勃発以降、この割合は26.6%に増加しました。
イスラエル紙「イェディオト・アハロノト」が報じたところによると、イスラエル軍幹部は軍内で精神疾患が広がっていることをうけ、カウンセリング施設の設置や精神科医・カウンセラーなどの採用を行っているということです。
また、ハアレツ紙もイスラエル自殺・精神疾患研究センターの専門家の話として、「ガザ戦争はイスラエル兵の精神状態に大きな負の影響を与えている。自殺したイスラエル兵を知る人は、兵士がガザで目撃したイスラエル軍による戦争犯罪に苦しんでいたと一様に語る」としています。
先月もイスラエル兵1名が自殺未遂したほか、ガザからの帰還兵1名が自殺しました。
米CNNは、ガザから帰還したイスラエル兵の自殺が相次いでいることについて、「現在進行形のジェノサイドを目の当たりにした兵士に深刻なトラウマが生じている証拠だ」としています。
ガザから帰還し、トラウマやPTSDを抱える兵士の数は数千にも上ると言われています。