シリアのテロリストとつながっているのはどの国か?
(last modified Tue, 03 Dec 2024 10:37:22 GMT )
12月 03, 2024 19:37 Asia/Tokyo
  • シリア政府軍兵士(右)/イランのアラーグチー外相とシリアのアサド大統領との会談の様子(左)
    シリア政府軍兵士(右)/イランのアラーグチー外相とシリアのアサド大統領との会談の様子(左)

イランのアラーグチー外相は、米・イスラエルとシリアのタクフィール派テロ組織との間で完全な口裏合わせが行われていると述べました。

【ParsToday西アジア】レバノンとイスラエルの間の停戦成立後、複数のテロ集団が一部の国の支援と新たな武装勢力の加入を受けて、シリアの北部と西部にある政府軍基地に大規模な攻撃をしかけました。

シリア情勢をめぐるイランのペゼシュキヤーン大統領とプーチン露大統領との電話会談、外国の策略に基づくシリア国内のテロリストの行動、シリアのテロリストの間に混じるウクライナ人傭兵の存在、シリア北部アレッポ県及び西部ハマー県の一部地域の解放、シリアにおけるテロリスト100人の殺害など、最新のシリア関連ニュースをお伝えします。

 

シリア情勢めぐりイラン・ロシア両大統領が電話会談

イランとロシアの両大統領は2日夜の電話会談で、シリア北部における最近のテロリストの動きを、同国と地域の安定および安全に対する深刻な脅威だという認識で一致しました。また両者はこの電話会談で、両国がシリア政府による国内のテロ組織への対処を支援すべく協力していくことを強調しました。

 

イラン外相「シリア情勢でイスラエルと米は完全に連携」

イランのアラーグチー外相は2日夜、最近のシリア及びトルコ訪問について言及し、「シリアでは、イランとしてシリアの政府と大統領を断固として全面支援していくと伝えた」と述べました。

また、イスラエル、アメリカ、そしてシリアのテロ集団の間には完全な口裏合わせがあるとし、「イラン・イラク戦争中にシリアが我々に連帯してくれたのと同様に、我々もシリアとともにあり続ける」と付け加えました。

また、アクバリー駐シリア・イラン大使も同日夜、「イラン・シリア関係は非常に高いレベルにある」と強調し、「両国は困難な状況においても互いに守り合っている」と語りました。

 

アラブ人アナリスト「シリアに対する米・イスラエル・トルコの三角計画は失敗する」

在英アラブメディア「ライ・アルヨウム」のアブドゥルバリ・アトワン編集長は記事において、シリア情勢の動向およびこの情勢におけるアメリカ、イスラエル、トルコの三角関係の足跡について言及し、 「シリアで今起こっていることは、1991年初頭から米国がイラクで実行したシナリオの繰り返し、すなわち12年後の軍事侵攻と占領に至るまでの包囲と大規模な兵糧攻め作戦、そして前政権の打倒というパターンだ。だが、このシナリオは強力な軍隊、民間基地、そしてロシアや同国のプーチン大統領、軍事面で強いイランが主導する抵抗枢軸のような戦略的同盟者を有するシリアには適合せず、失敗する運命にある」との見解を示しました。

イラク民兵組織ハシャド・アルシャビのメディア局長ムハナド・アル・アカビ氏も3日、「シリアのテロリストは外国の計画や策略に従って活動しており、彼らの目的は地域の安定のかく乱である」と述べました。

さらに、チュニジアの「人民の運動」党は声明の中で、シリアでのテロ組織の活動について、イスラエルが提唱し米国が支援する「新しい中東」構想の実現に向けた一歩だとの見方を示し、「テロリスト集団はイスラエルとアメリカ政府の指示で動く道具にすぎない」としました。

一方、アルアーラム・チャンネルによると、テヘランのトルコ大使館前で2日、抗議集会が行われ、参加者らがイスラエル、アメリカ、トルコによるシリアのタクフィール派とテロ組織への幇助を非難しました。

集会に参加したテヘラン在住のあるシリア人は記者の取材に対し、「トルコは最近、地域においていかがわしい役割を演じており、複数の顔を持つことを証明した。そうした顔の1つは、シリアで混乱を引き起こしている武装勢力への支援である。その勢力は現在、シリアで腐敗に手を染め、あらゆる形での支援を受けている」と語りました。

一方、レバノンのアルマヤディーンTVは3日、シリア情報筋の話として「ウクライナ軍がシリアのテロ組織タハリール・アル・シャームと協力して同国に駐留している」と報じました。

ウクライナ紙「キーウ・ポスト」は少し前に、「タハリール・アル・シャームのメンバーが、ウクライナ諜報機関とつながりのある特殊部隊ヒミクから特別訓練を受けている。これらのテロリストは、ウクライナで無人機使用特別訓練を経験している」と報じていました。

イランの動きとしては、アル・アーラムチャンネルが2日夜に報じたところ、イラン・シリア軍事安全保障・政治協力協定の一環として、イラン軍事顧問団がシリア首都ダマスカスに到着し同国のテロ攻撃への対処を支援することになりました。

抵抗勢力とつながりのある情報筋もアルマヤディーンTVの取材に、シリア中西部ハマー北部及び東部、そして北部アレッポ南部の前線に軍事装備・支援が送付されたことを明らかにしました。

この情報筋によると、これらの援助には、テロ集団の攻撃に対抗するためのシリア政府軍強化を目的に派遣された軍隊や軍事装備品が含まれているということです。

 

シリアでテロリスト100人が殲滅

ロシアのシリア当事者和解調整センターは2日夜、「シリアで過去24時間に少なくとも100人のテロリストが殺害された」と発表しました。

アルアーラム・チャンネルの記者が同日伝えたところによると、テロ組織による数日間の攻撃の後、シリア各地でこれらの組織が出した死者数は1400人に達したということです。

情報筋によると、シリア政府軍がテロリスト集団との激しい衝突の後、西部ハマーの北東郊外にあるアル・ラフジャン村とアル・サン村を奪還したと報じられました。

これらの情報によると、シリア軍は北部アレッポ東部の町アル・サフィラ郊外ウンム・アムード地区をテロリストの占領から解放しました。

アルマヤーディンTVは3日火曜朝、シリア政府軍がアル・サフィラに向けて進軍したと報じ、「この進軍はシリア軍がアレッポ県の村々の奥深くに速やかに帰還することを意味する」と報じています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter