トルコ大統領のシリア首都占領願望/ほくそ笑むイスラエル:シリア最新情勢
(last modified Sat, 07 Dec 2024 11:01:50 GMT )
12月 07, 2024 20:01 Asia/Tokyo
  • トルコ大統領のシリア首都占領願望/ほくそ笑むイスラエル:シリア最新情勢
    トルコ大統領のシリア首都占領願望/ほくそ笑むイスラエル:シリア最新情勢

シリア外相がイラク首都バグダッドでイラン外相と共同記者会見し、「外国による我が国への内政干渉が完全に暴露された」と語りました。

【ParsToday西アジア】イラン、イラク、シリア3カ国外相による合同会合、首都ダマスカスでのクーデターをめぐるフェイクニュース、反体制派によるダマスカス占拠を望んだトルコ大統領の発言、シリアでの武装勢力200人の殺害、シリア政府軍と反体制勢力「シリア民主軍」の合意成立など、最新のシリア情勢をお伝えします。

 

イラン外相「イラク、シリア、イランの三者協議のメッセージはシリア政府と国民への支援」

イランのアラーグチー外相は、イラク首都バグダッドで開かれたシリア、イラク両外相らとの共同記者会見で、「今回の会合のメッセージは、タクフィール派テロ組織との戦いでシリア政府と国民を支援することだ」と述べました。

アルアーラム・チャンネルによりますと、イラン、イラク、シリアの各外相は6日夜、バグダッドでの三者会合終了後、共同声明を発表してシリアの国家主権と独立の維持を強調しました。

シリアのバッサム・サッバーグ外相はこの会合で「外国によるシリアへの内政干渉が完全に暴露された」と述べました。

 

トルコ大統領が反体制派によるシリア首都選挙を希望

タスニーム通信によりますと、トルコのエルドアン大統領は6日、シリアの情勢変化および、トルコと米国が支援する反体制派勢力の進軍について、「(シリア北西部の)イドリブ、ハマー、(中部)ホムス、そして次の標的は当然首都ダマスカスである。反対派勢力は自らの道を進み続けている。我々はこの道が深刻な被害なく続くことを願っている」と発言しました。

 

シリア反体制派幹部「我々の目標はシリア政府の打倒」

シリア反体制派組織のタハリール・アル・シャームの幹部、ムハンマド・アル・ジャウラニ氏は米CNNとのインタビューにおいて、「我々の目標はシリア現政府を転覆させることにある」と語りました。

専門家らはこのインタビューについて、反体制派についているテロリストとのイメージを覆すねらいがあるとの見方を示しています。

 

ロシア外相「テロリストへの資金・武器提供は阻止されるべき」

アルアーラム・チャンネルが6日報じたところによりますと、ロシアのラブロフ外相は「シリア問題を話し合う次回のアスタナ・プロセス会議では、シリアにおけるテロリスト向けの資金・武器供給ルートを遮断する方法について、イランおよびトルコと協議する予定である」と述べました。

一方、ロシア、イラン、トルコの外相は7日、カタール首都ドーハでアスタナ・プロセスの枠組みの中で会談する見込みです。

 

シリア南部での大規模な進軍を主張する反体制派

シリア反体制派は6日、同国南部の広い地域に進軍したと主張しました。

メフル通信によりますと、シリア反体制派は同日夜、シリア政府軍との衝突の後、同国南部ダルアー郊外の戦略地域テッル・アル・ハーラを制圧したと主張しました。また、南西部アル・スワイダ市の内部組織の一部も、南西部アル・グライヤ村の一部の軍事区域と戦車1台が制圧されていると報告しています。

アル・スワイダ市の反体制派とつながりのある地元勢力は、彼らの軍が政府軍の撤退後、市中心部の警察司令部の建物を占拠したと主張しました。

反体制派は他にも、ダルアー県ヒラク市および同県東部近郊に展開していた政府軍第52旅団を制圧したと主張しています。

 

ロシア「シリアでテロリスト200人が殺害」

ロシア当事者和解調整センターは6日夜、「シリア政府軍はロシア空軍の支援を得て、過去24時間で200人のテロリストを殺害した」と発表しました。

それによると、これらの反体制派テロリストはハマー、イドリブ、アレッポ各県の郊外で殺害されたということです。

 

イラン外相「シリア情勢は同国内にとどまらない」

アラーグチー外相は6日、イラクのアル・シャルギーヤ・チャンネルとのインタビューで「最近のシリア情勢の変化は同国だけに限定されない」とし、「テロリズムとシリアの情勢変化もイラクの安全を脅かしている」と語りました。

 

シリア政治活動家「アサド大統領はダマスカスにいる」

イルナー通信によりますと、シリアの政治・社会活動家ウマル・ラフモン氏は、アサド大統領のシリア出国に関するニュースや噂を否定し、Xに「アサド大統領は首都ダマスカスにおり、国を確実な勝利に導いている」と投稿しました。

シリア情報省は6日、ダマスカスでのクーデター未遂に関するフェイクニュースの拡散に言及し、世論の意識をかく乱する敵の心理戦が激化していることについて警告するとともに、これに惑わされず正しい認識を持つことの必要性を強調しました。

タスニーム通信によりますと、シリア情報省は声明の中で、「一部の敵対的なメディアは、単に状況のかく乱を狙い、フォトショップを使用してフェイクニュースや虚偽を公開している」と表明しました。

 

シリア政府軍とシリア民主軍が兵力配置めぐり合意

レバノンのアルマヤーディーンTVは6日、情報筋の話として「シリア政府軍との合意に基づき、(反体制派の)シリア民主軍(SDF)が東部デリゾール県の一部地域に駐留している」と報じました。

それによると、SDFはこの合意に基づき、イラク国境のアル・ブカマルに通じるデリゾール街道に配備されます。

アルマヤーディーンは「SDFはデリゾール、アル・マヤディーン、アル・ブカマルの各都市には入っておらず、これらの都市には政府機関と警察部隊が駐留している」と報じています。

 

国連「37万人のシリア人が難民化」

メフル通信が7日報じたところによりますと、OCHA・国連人道問題調整事務所は「シリアでは反体制派の活発化と紛争激化により、少なくとも37万人が難民化した」と発表しました。

 

イスラエル当局者「シリアでの紛争継続は我々の利益」

あるイスラエル当局者は匿名で、タイムズ・オブ・イスラエル紙とのインタビューに応じ、現在のシリア紛争の激化と継続がイスラエルの利益につながっている事実を認めました。

 

イスラエルがシリア情勢変化受け警戒:数千人のイスラエル兵が占領下ゴラン高原に展開

イスラエル第14チャンネルテレビは政治筋の話として、「イスラエルはシリアでの情勢変化に注目し、最高レベルの厳戒態勢にある」と報じました。

それによると、ネタニヤフ政権は異例の措置として、過去3日間で3回にわたりシリア情勢に関する閣議を開催したとしています。

 


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