イエメン軍報道官・サリーウ氏とは?
(last modified Mon, 30 Dec 2024 10:14:43 GMT )
12月 30, 2024 19:14 Asia/Tokyo
  • イエメン軍報道官・サリーウ氏
    イエメン軍報道官・サリーウ氏

SNSユーザーの間で、イエメン軍報道官を務めるヤフヤー・サリーウ氏が敵を恐れさせる美声の持ち主だと評価されています。

【ParsToday西アジア】ヤフヤー・サリーウ報道官は2018年の就任以来、数々の声明の発表および報道各社や各種の情報発信により、イエメン国民の抵抗さらには彼らによるパレスチナ国民への支援に対し、巧みに世界の注目を向けさせています。

最近もサリーウ報道官の動画がSNS上に公開され、その中で彼は独自の話法を用い、イエメンに非難の矛先を向けるアメリカとシオニスト政権イスラエルに警告を発しています。

サリーウ報道官はこの動画において、米とイスラエルに対し「敵に越えてはならない一線があるなら、我々にはそのレッドラインはない。我々は敵だけでなく、イエメン国民や他の諸国民さえも考えないような標的に打撃を与えるだろう」と語りました。

 

イエメン中部のマアリブ州で侵略者との戦いの前線に立つサリーウ報道官


SNSユーザーは同報道官を、敵を恐れさせる美声の持ち主だと評しています。

Xのユーザーの1人、サルワ・オマル氏は、サリーウ報道官が読み上げた声明の口調と声に言及し、「この声は独特で音速をも凌駕する」と投稿しました。

ベドウィンというユーザー名を持つ別のXユーザーは、同報道官に対する敵の恐怖について「アメリカとイスラエルはサリーウ報道官を恐れている」と投稿しました。

セイエド・モハンマド・ナキーブと名乗るユーザーも、サリーウ報道官が敵との戦いの現場から発信し、覇権主義者に対する抵抗の継続を強調したことに触れ、「イエメンの同胞たちよ、神があなたを守ってくださいますように」と記しました。

 

サリーウ報道官の記者会見


サリーウ報道官とは?

サリーウ氏は1970年にイエメン北西部サアダ州で生まれ、質素な環境の中、イエメンの深刻な政治・経済的諸問題を目の当たりにしながら過ごしました。

彼は政治学の学士及び修士号を取得しており、軍事学に強い関心を持っていたことから青年期にイエメンの軍事機関の一つに加わりました。この期間中、彼は軍事および運営管理分野で幅広い訓練を受け、その才能と能力を発揮してイエメン軍内で徐々に高い地位を獲得していきました。これらの経験が基礎となって、彼はその後の戦略的運営とメディアとの関係において数々の成果を挙げることになりました。

2015年にイエメン戦争の勃発と各種紛争の激化とともに、サリーウ氏はイエメン軍の幹部候補として台頭し、たちまち傑出した将校の1人にのし上がりました。そして2017年には大佐に昇進し、イエメン軍の心理戦部門の責任者に任命されました。さらに、2018年半ばに軍倫理指導局長に任命され、准将に昇進しています。

 

サリーウ報道官近影


サリーウ氏はイエメン実効支配勢力のアンサーロッラーの中でも特別な地位にあり、2018年にはイエメン最高政治評議会により軍の公式報道官に任命されました。この決定がなされたのは、イエメンが国運を左右する史上最も重要な時期であった、サウジアラビア主導アラブ連合軍による最も激しい攻撃にさらされていた時期のことです。サリーウ氏がこの役職に選ばれたことは、イエメン最高政治評議会が彼の軍事的およびマネジメント能力・手腕に全幅の信頼を寄せていたことを物語っています。

 

2018年にイエメン軍の公式報道官に任命されたサリーウ氏


サリーウ氏はイエメン軍の公式報道官に任命されて以来、メディア面の調整・連携や情報発信において重要な役割を果たしてきました。また、アル・マスィーラテレビなどイエメンのメディアやテレグラムチャンネル、Xアカウントなどを通じた声明や公式見解の発表により、イエメン軍の視点や立場を世論に伝えることに成功しています。

 

イエメン軍司令官らとともに


サリーウ氏が講じた最も重要な措置の1つは、外国の脅威に対する報復作戦を管理可能にしたことです。特に、紅海でのイスラエル商船や米無人機を標的に攻撃したことはこれらの戦略の一環とされています。これらの作戦はイエメンの敵に対する一種の抑止力の創出に役立ち、さらにはイエメン軍が複雑な外国の脅威に対する対処能力があることを示した形となりました。

 

 


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