イスラエル軍内部で虚無感が増大、元モサド職員「数カ月以内に強力なハマスが再出現する」
(last modified Tue, 28 Jan 2025 09:52:49 GMT )
1月 28, 2025 18:52 Asia/Tokyo
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    イスラエル軍内部で虚無感が増大、元モサド職員「数カ月以内に強力なハマスが再出現する」

イスラエル第14チャンネルTVは、「イスラエル軍兵士らが、ガザ戦争に戻れば死ぬ運命だと言いながら涙を飲んでガザを南北に分断するネツァリム回廊(ガザ北部)を去った」と報じました。

【ParsToday西アジア】英国拠点のアラビア語ニュースサイト「ライ・アルヨウム」は、イスラエル第14チャンネルの報道として「イスラエル軍は、ガザ市とその北部を南部と中部から分離させるために駐留していたネツァリム回廊から撤退した」と報じています。

パールストゥデイによりますと、イスラエル兵らは涙ながらに「1年以上ガザでやってきたことは無駄だったと感じている」と語ったということです。

イスラエル軍は、パレスチナ難民のガザ地区北部への帰還を認める代わりにシオニスト女性のアルベル・イェフド氏を含むイスラエル人捕虜6人の釈放でパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスと合意したことを受け、27日月曜早朝にネツァリム回廊から撤退しました。

こうした中、パレスチナ・イスラム聖戦運動の軍事部門「ゴッツ旅団」は同日夜、ある動画を公開しました。この動画からは、シオニスト捕虜のアルベル氏(29)が家族にメッセージを送信しており、したがってこの女性が生存していることが判明しています。

またこの動画では、パレスチナ抵抗軍の捕虜となっているこのシオニスト女性兵士が、ドナルド・トランプ米大統領とネタニヤフ・イスラエル首相に対し、すべての捕虜が自宅に戻れるよう停戦維持に努めるよう呼び掛けています。

ネタニヤフ首相はかねてから、数十万人のパレスチナ人がガザ北部の居住地域に帰還するための条件として、アルベル・イェフダ氏の釈放を要求していました。

ネタニヤフ首相はガザ攻撃前に、軍事攻撃によってハマスを壊滅させ捕虜となったシオニスト兵士を解放すると主張していました。しかしそれは実現せず、ネタニヤフ首相はハマスとの停戦協定の締結を余儀なくされた形となっています。

ネタニヤフ首相については、アルベル氏の解放を優先することでガザ戦争での敗北に対する世論の圧力の軽減を狙っているのでは、との憶測もなされています。

かつてイスラエル内閣の強硬派閣僚で既に辞任したベン・グヴィル元内務治安相は、ガザ戦争での敗北についてネタニヤフ首相を批判し続け、イスラエルが同意した屈辱的な合意によりハマスが政治的利益を得たことを認めました。

ベン・グヴィル氏はまた、「絶対的な勝利と戦場での結果、そしてハマス抹殺という話と現地で目にしている事実の間にも大きな隔たりがある」と語っています。

さらに、「内閣が約束した絶対勝利はどこにあるのか?ハマス抹殺はどうなったのか?」との疑問を投げかけました。

加えて、イスラエル諜報機関モサドの捕虜・行方不明者元局長だったラミ・イグラ氏もFM103ラジオのインタビューで「イスラエル軍の行動は間違っておりハマスに負けた」と自白するとともに、「イスラエル政府は捕虜を釈放してから数か月以内に再び、2023年10月7日以前よりも強力なハマスと対峙することになるだろう」と語っています。

また、イスラエルの敗北の責任はネタニヤフ首相にあるとし、「ネタニヤフ首相はイスラエルを2023年10月7日の戦争以前の状態に戻した」と述べました。そしてハマスの強力な指導力を認めるとともに、「ハマスは無敵であり、今後もガザを支配し続けるだろう」と述べています。

イスラエル軍は今なお、ガザ戦争での敗北とこの戦争におけるシオニストの犯罪の結果に苦しんでいます。その証拠に、イスラエル軍兵士ら数十人が、ガザでの戦争犯罪容疑で世界各国で逮捕されることを避けるため、フェイスブックやインスタグラムを含むSNS上のアカウントを削除しています。

ベルギー首都ブリュッセルを拠点とするNGO、ヒンド・ラジャブ財団が率いるパレスチナ人権団体は、イスラエル軍のSNSアカウントやその他の情報源を利用して、ガザ地区のパレスチナ人に対する犯罪の証拠を収集しています。

同財団は今月初めにも、イスラエル政権がガザ戦争中に同地区住民に対し戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺を引き起こしたとして、スウェーデン、ブラジル、イタリアにおいてイスラエル軍関係者を相手取り訴訟を起こしています。

 


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