シリア難民が母国帰還後に失望した理由とは?
(last modified Mon, 10 Feb 2025 06:09:50 GMT )
2月 10, 2025 15:09 Asia/Tokyo
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    シリア難民が母国帰還後に失望した理由とは?

ロイター通信は、アサド政権崩壊後に母国に帰国したシリア難民の生活環境が悪化していると報じました。

【ParsToday西アジア】ロイター通信はこの問題について、「13年間の戦争を経験したシリアでの悲惨な生活環境は、帰国者にとって苦い失望となっている」とし、シリア難民で最近帰国したアフマド・アルシェイフさん(35)が語った「自分のような多くの人々が、戦争で荒廃した国での生活の現実に失望している」との言葉を紹介しました。

8年前に自宅のあったシリア北部アレッポからトルコに避難し、アサド政権崩壊後に祖国に戻ったアルシェイフさんは、「想像を超えたこの惨状を目の当たりにしてショックを受けた」と語りました。アルシェイフさんの話では、現在インターネットはほぼつながらず、停電や断水が多発しているということです。

ロイター通信は、NATO加盟国であるトルコが最近のシリア危機に対処する上で、昨年12月に武装勢力「タハリール・アルシャーム(HTS)」が同国首都ダマスカスを制圧した後に、シリア統治政権に対し経済・外交面での影響力を持つ一仲介者として台頭してきていると報じました。

その背景として、トルコ領内に住む約300万人のシリア難民の存在が1つの重大な政治問題と化しているとし、彼らの多くが現在、トルコで反移民感情の波に直面し、自分たちが招かれざる客であるように感じており、HTSがアサド政権を崩壊させたことを受けて帰国を決めた人が大勢いるとしています。

トルコ難民協会の社会福祉部長は、シリアに帰国した難民らが医療サービスの不足に抗議しているとし、「一部の難民家族は今では後悔し、シリアを離れたいと思っている」と述べました。

アルシェイフさんも反政府勢力によるシリア制圧のニュースを聞いて帰国を決め、アレッポの自宅再建を夢を見た一人だったものの、現在では劣悪な生活環境および就労・教育機会の不足に幻滅し、失望しているといいます。

シリアの情報筋によると、同国ではアサド政権の崩壊以降、殺人や略奪などさまざまな犯罪の発生率が急増しているということです。そうした現実の多くはメディアで公表されておらず、特に沿岸地域でのシリア少数民族に対するテロリストによる攻撃が激化していることも明らかになりました。この点に関してイラクのマアルーマ通信は「シリアでは10分ごとに誘拐、暗殺、略奪を目的とした攻撃が発生している」と報じています。

 


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