ガザの泥沼にはまる「ギデオンの戦車」作戦:瓦礫の下からの抵抗勢力の復活
(last modified Mon, 07 Jul 2025 08:21:35 GMT )
7月 07, 2025 17:21 Asia/Tokyo
  • ガザの泥沼にはまった「ギデオンの戦車」作戦:瓦礫の下からの抵抗勢力の復活
    ガザの泥沼にはまった「ギデオンの戦車」作戦:瓦礫の下からの抵抗勢力の復活

シオニスト政権イスラエルによるガザでの「ギデオンの戦車」作戦は、失敗に終わりました。

イスラエルによるガザ地区へのジェノサイド戦争が21ヶ月目に突入する中、「ギデオンの戦車」として知られる軍事作戦の完全な失敗の兆候が、これまで以上に明らかになっています。

【ParsToday西アジア】イスラエル政府が「運命を決定づける」とみなした「ギデオンの戦車」作戦は、目標達成よりも政治、軍事、人材面での泥沼化を招いています。

去る5月初め、イスラエル内閣は旧約聖書の士師名を冠したガザ地区占領計画・「ギデオンの戦車」作戦の計画を承認しました。この作戦はガザでの軍事的・政治的勝利が目的だと主張していたものの、実際にはパレスチナ市民に対する大量虐殺と蛮行の継続を目的としていました。

 

軍事的失敗と軍の幻滅

イスラエルの新聞イディオト・アハロノトの著名なアナリスト、ナホム・バルネア氏は「ガザ作戦は大敗に終わり、軍は公には認めていないものの、深い幻滅感を抱いている」と分析しました。また「作戦実行の決定は完全に政治的なものであり、この戦争が長期化した主な責任はネタニヤフ現イスラエル首相にある」と指摘しています。

この点に関して、ハアレツ紙の軍事アナリスト、アモス・ハレル(Amos Harel)氏は「ネタニヤフ首相は自身の政治的生き残りを図るために人為的に戦争を継続している」と強調しています。ハレル氏によれば、この行動は捕虜とその家族の苦しみを増大させただけでなく、シオニスト社会を危機に陥れたということです。また世論調査によりますと、イスラエル市民の60%以上が、たとえ多大な犠牲を払ったとしても戦争を終結させ、捕虜交換を実現したいと考えています。

 

ガザの破壊と抵抗勢力の復活

ハアレツ紙はまた、「今日、ガザは新たな抵抗形態が誕生しやすい温床となっている。必ずしもパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスやパレスチナ・イスラム聖戦運動ではなく、軽火器や即席爆発装置を用い地域に根ざしたゲリラ組織や機動力のある組織が、イスラエル占領軍にとって恒常的な脅威となるだろう」と報じました。

このシナリオは、イラクとアフガニスタンにおける米軍の占領の苦い経験、そして2000年のレバノン南部における「イスラエル」の敗北(民衆の抵抗により最終的に軍が撤退を余儀なくされた)を想起させるものです。

 

軍の戦争終結要求

イスラエルの新聞エルサレム・ポストもシオニスト政権の治安当局筋の話として「軍は今後2~3週間以内の戦争終結を要求した。その理由は、戦闘の継続とレバノンおよびイランからの脅威の増大により軍の作戦能力が枯渇し、占領地内の戦線が不安定化していることである」と報じました。

 

崩壊の瀬戸際にあるイスラエル占領政権

シオニスト政権は今、かつてない苦境に立たされています。軍事面では、抵抗勢力の壊滅と占領地内の治安強化のいずれも達成できていません。人道面では、数万人の殉教者と負傷者、そして数十万人が住む家を失うという、完全な大惨事をまねいています。また政治面では、ネタニヤフ政権の正当性の低下と内部分裂の拡大が露になっています。そして、戦闘現場の面では、ガザが新たな形で永続的な抵抗勢力の成長の爆発的な中心地となりつつあります。

これらすべての要素は、シオニスト政権が「ギデオンの戦車」作戦で戦略的に失敗したことを裏付けています。勝利をもたらすはずだったこの作戦は、その戦争による残骸をイスラエル政権の頭上に振りまいた形となっているのです。

 

 


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