パレスチナ人の殉教とヨルダン川西岸での新たな衝突の波/ガザで停戦違反が継続
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ガザ市東部で破壊された建物
パレスチナ・ヨルダン川西岸各地で衝突が拡大し、同国ガザ地区での停戦違反が続く中、パレスチナ医療筋が、ヨルダン川西岸ナブルス南部にてシオニスト政権イスラエル軍によりパレスチナ人青年1名が殉教したことを明らかにしました。
【ParsToday西アジア】パレスチナ医療筋によりますと、ヨルダン川西岸ナブルスでパレスチナ人男性バハア・アブド・ラシェド氏(37)イスラエル兵に頭部を撃たれてベイタ病院に搬送されたものの、その後殉教しました。目撃証言によれば、イスラエル軍は5日金曜、ナブルスでパレスチナ人礼拝者に対し無差別射撃を行い、この若いパレスチナ人男性は命を落としたということです。
ヨルダン川西岸の現地情勢
一方、パレスチナのメディアは「イスラエル軍がヨルダン川西岸北部ジェニン南西の町アラベを襲撃し、襲撃後にパレスチナの若者と衝突した」と報じました。この報道によれば、イスラエル軍はヨルダン川西岸ナブルス北西の都市セバスティヤとラマラ北西の村レンティスを攻撃し、住民に対して催涙ガスと照明弾を浴びせました。
ジェニン西部の町バルキンでも、パレスチナ人集団とイスラエル軍の間で激しい衝突が発生し、イスラエル兵がパレスチナ人青年に発砲しました。ラマラ東部の集落・バルカもイスラエル軍による音爆弾と光爆弾の攻撃を受け、南部アルハリール(ヘブロン)北部のベイト・オマルではパレスチナ人青年がイスラエル兵に逮捕され、衝突が発生しました。
さらにジェニン中心部では、イスラエル兵がパレスチナ人の若者数人を殴打し、身柄を拘束しました。また、アルハリール南部の観光都市ヤッタでは、シオニスト入植者が車でパレスチナ人の子供たちを轢こうと試みました。
パレスチナのメディアはまた、イスラエル兵がラマラにあるアル・ジャラズーン難民キャンプを襲撃し、パレスチナ人青年3人を負傷させたと報じています。
パレスチナ赤新月社はまた、ジェニン在住の57歳の男性がバルタ検問所でイスラエル兵に激しく殴打され、病院に搬送されたことを明らかにしました。パレスチナ・メディアの報道によりますと、イスラエル軍はヤッタ砂漠アル・ザウィエディン村でパレスチナ人の農耕と放牧も妨害しています。
イスラエル政権がガザ停戦違反を続行
ガザ停戦開始から57日目を迎えた現在も、イスラエル軍は相変わらず停戦合意に違反し続けており、5日金曜夜には特に「イエローライン(停戦合意に基づく撤退の境界線)」の背後を初めとするガザ各地で建物を爆破しました。
カタール国営衛星通信アルジャジーラの特派員は「イスラエル軍がガザ北部ベイトラーヒヤーの民家を爆破した」と報じ、地元筋は「ガザ市東部の建物が破壊され、各地で大きな爆発音が聞こえた」と伝えました。
シオニストが牛耳るイスラエル政権は、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの殲滅、およびこの地域のシオニスト捕虜の帰還という2つの主要目標を掲げ、2023年10月7日にガザ地区に対する戦争を開戦しましたが、これらの目標は達成できず、やむなくハマスとの捕虜交換に合意しました。去る10月9日、ハマスは声明を出して、ガザでの戦争終結と捕虜交換合意の成立を発表しています。イスラエル軍もその翌日の10月10日午後、ガザでの停戦実施を公式に発表しましたが、シオニスト政権は停戦第一段階の条項実施を妨害し、度重なる違反行為を繰り返しています。

