シリアにおけるイスラエル政権の最終目的とは?
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シリア南部クネイトラ県の農地がシオニスト政権イスラエルに砲撃されたことから、イスラエルによる国境地帯への介入という憂慮すべき側面が改めてクローズアップされています。 イスラエル軍は8日日曜、シリア南部クネイトラ県郊外の農地に放火しました。
(last modified 2026-02-09T07:47:09+00:00 )
2月 09, 2026 16:43 Asia/Tokyo
  • シリア南部の都市スウェイダに進出したシオニストら
    シリア南部の都市スウェイダに進出したシオニストら

シリア南部クネイトラ県の農地がシオニスト政権イスラエルに砲撃されたことから、イスラエルによる国境地帯への介入という憂慮すべき側面が改めてクローズアップされています。 イスラエル軍は8日日曜、シリア南部クネイトラ県郊外の農地に放火しました。

【ParsToday西アジア】イギリスに拠点を置くパン・アラブ系メディア、アル・アラビー・アル・ジャディードのウェブサイトによりますと、今回の爆音はクネイトラ県および南西部ダルアー県にまたがる「死の三角地帯」に対するイスラエル軍の砲撃によるものとされています。なお、イスラエル軍はこの攻撃の1週間前に、クネイトラ県北部郊外の町ジャバタ・アル・ハシャブおよびオファニア村落を襲撃していました。

これらの襲撃と全く同時期に、「米国の監視下でシリアの現ジャウラニ政権関係者とイスラエル政権との間で秘密交渉が行われている」との報道がなされています。しかし、この偶然の一致によりイスラエルの戦略に対し「砲撃と交渉はシリア政府に圧力​​をかけ、同国南部の安全保障上の均衡を変化を狙うという2つの補完的手段なのか」という疑問が浮上しています。

この点に関して、アラブ作家で研究者のモヘブ・アル・リファイ(Moheb Al ‐ Rifai)氏は、米国の監視下で「共同調整メカニズム」と称したメカニズムの形で行われているジャウラニ政権とイスラエルとの交渉、およびシリア政府との安全保障協定への調印に向けたイスラエルの工作に言及し、「シリア統治者のこの行動はシリア国民の意志に反するものであり、彼らはシオニスト政権イスラエルの正式承認に断固反対している」と強調しました。

アラブ政治研究センター(The Arab Center for Research and Policy Studies)は2025年8月にシリア世論調査を発表しました。それによれば、シリア人の74%がイスラエル正式承認を拒み、反対していることが明らかになっています。この反対は、象徴的な立場表明や民族主義的なスローガンに基づくものではなく、イスラエルを、入植地建設やシリア領ゴラン高原の占領に手を染める植民地支配・占領政権、そして覇権とアラブ社会の分裂を企てる拡張主義政権と捉える複雑な定義に基づいています。

アル・リファイ氏はまた「このデータは、イスラエルがシリア国民の目に公然と組織化された敵として映っていることを示すとともに、シリア市民の国民意識において、イスラエルが直接的な爆撃や暗殺に始まり分裂主義的傾向の煽動に至るまで、様々な手段と方法を通じてシリア国内の情勢不安の助長に関与していることも示している。つまり、イスラエルからの脅迫は国境での脅迫にとどまらず、政府と社会のレベルでシリアの安定を脅迫するものであり、この安全保障協定はシリア社会におけるイスラエルのイメージ変更にはつながらないということである」と強調しました。

この駆け引きの舞台となっているのが、シリアのドゥルーズ派(イスラム教シーア派の一派)コミュニティの中心地たるスウェイダ市です。欧州のニュース専門局・ユーロニュースは「昨夏の衝突後、スウェイダ市はシリア中央政府の支配から事実上離脱した。これらの衝突において、イスラエルは現ジャウラニ政府軍への攻撃により、ドゥルーズ派支持者を自称している」と報じています。ユーロニュースによれば、現在スウェイダの街頭にはイスラエル旗が掲げられ、イスラエルに近い人物が率いる「高等法務委員会」とその軍事部門が市の実務を担当しています。この行動により、イスラエルはシリア領土の内奥部に影響力の拠点を築き、ドゥルーズ派の自治の夢をシリア政府の弱体化を図る手段へと転じさせました。この戦略の結果、シリア国民の大多数の間で不信感が高まっています。

ユーロニュースはまた「シリア南部の現状は、脆く崩れやすい平和の様相を呈している。スウェイダはシリア中央政府から正当性を認められていない半自治地域として統治されている。イスラエルによるシリア南部国境への度重なる軍事攻撃は続いており、ジャウラニ政権はスウェイダの失われた平穏において重要な役割を果たせていない。一方、イスラエルは軍事力及び、軍事力以外の手段による影響力の両面を駆使する勢力としての役割をこれまで以上に強めている。シリアの一部地域におけるイスラエルの進出・駐留により、シリアでは深刻な情勢不安が続いており、同国の将来の安定は危ういものとなっている」と報じました。

 

 


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