視点:史上最悪の人道危機に瀕するイエメン(動画)
(last modified Sat, 02 May 2020 10:35:43 GMT )
May 02, 2020 19:35 Asia/Tokyo
  • 人道危機に瀕するイエメン
    人道危機に瀕するイエメン

イエメン戦争で、これまで既に数百万人が難民となり、多数の女性や子どもが病気や飢餓という甚大な危機に直面しています。

ムーサヴィー報道官

イラン外務省のムーサヴィー報道官は1日金曜、ツイッター上で、イエメンが、サウジアラビアの犯罪および新型コロナウイルスの蔓延により、史上最悪の人道上の危機に瀕しているとし、「イギリス政府は、対サウジ武器輸出で巨額の利益を得ている。そして、イエメンの無辜の民の血で自らの手を染めている」としました。また、「イギリスは、歴史の正しい方向を向くべきだ」と促しました。

英ジョンソン首相や同政権がイエメン紛争の停戦支援国を自称したいのとは裏腹に、貧困と不正根絶を目指して持続的な支援・活動を90カ国以上で展開する団体・オックスファムの報告からは、イギリスが2015年1月からこれまでに、64億ポンド相当の対サウジ武器輸出を許可し、またサウジ軍兵士の訓練に大きく関与している事実が浮き彫りになっています。オックスファムが指摘する重要なポイントは、2014年に武器貿易条約が発効されて以来、イギリスとサウジ間の武器取引が拡大しているという事実です。

武器貿易条約は,通常兵器の国際貿易の規制に向けて国際基準を確立し、不正取引を防止することを目的としています。地域・世界の平和促進、人類の苦痛を緩和し、協力・透明性を普及させて各国間・各国内での責任ある取り組みの実施に寄与するものです。英国NGO「武器貿易に反対するキャンペーン運動」のアンドリュー・スミス代表は、オックスファムの報告に呼応し、「イギリス製兵器がイエメンでの破壊行為に大きく関与していることに疑いの余地はない。イギリスの戦闘機はイエメン上空を飛行し、またイギリス製の爆弾やミサイル多数がイエメン市民に投下、発射されている」と述べました。

サウジアラビアとUAEアラブ首長国連邦は、複数のアラブ諸国と連合軍を結成し、米国の支援を背景にアラブ圏の最貧国イエメンに対する大規模な攻撃を開始しました。サウジの政治的な強欲や目的達成のために攻撃開始の口実とされたのは、国外逃亡したサウジ寄りのハーディ・イエメン元大統領の復権でした。

現在、イエメンで起こっている現実の出来事は以下の2つで、これらは深く考えさせられるものです。

1つ目は、武器貿易がイエメンで人道上の大惨事が発生しているにもかかわらず今なお進行中であるということ。

2つ目は、人類に対する犯罪がこのような流れの継続で生じているものだということ。

イエメン戦争により、同国にある学校や病院、インフラが破壊されています。この戦争は、西側諸国から供給された武器により、これまでに多数のイエメン国民の命を奪い、1000万人近い難民の大量発生につながっています。国連の報告によれば、イエメンでの飢餓は今や世界最大の人道的大惨事に瀕しています。

イラン外務省のムーサヴィー報道官が強調しているように、この戦争の終結は、武器の売却が続く限り不可能なのです。

 

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