イエメン・シーア派組織、「バイデン米政権の停戦呼びかけは、不誠実で真実味なし」
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イエメンでの戦争
イエメンの最高革命委員会委員長が、同国に対する侵略の中止に向けたアメリカの努力についての表明に反発し、「イエメンへの侵略を指揮して同国の人々の苦難の原因となっているのは、米国自身である」としました。
ロシアのアラビア語チャンネル「ロシア・アルヨウム」によりますと、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーの指導者であるムハンマド・アリー・アルフーシ最高革命委員会委員長は18日木曜、「サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、米国の容認や指示なしにイエメン侵略という行動をとることはできない」と述べました。
そして、「米国は平和を求めてはいない。なぜなら、イエメンへの侵略を指揮してその国民に実際に悲劇をもたしている元凶は彼らだからだ。従って、バイデン政権の停戦の呼びかけは、誠実さや真実味がない」と説明しました。
また、「イエメンの人々は、米国、イギリス、フランス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、およびその他のアラブ連合参加国が、イエメン領土に攻撃を仕掛けている、もしくはイエメン国民殺害のための武器を売却していることを、しっかり理解している」と続けました。
ティム・レンダーキング(Tim Lenderking) 米イエメン特使兼国務次官は、「政治的解決が、イエメン危機に対処する唯一の選択肢である。今や紛争を終結させる時が来た」と述べています。
アルフーシ最高革命委員会委員長は17日水曜夜、イギリスがイエメンへ新型コロナウイルスワクチンを無償提供するという主張を表明したことに反応して、ツイッターに「イギリス政府はまずはじめに、我が国に武器というウイルスを送るのを止めるべきだ」と投稿しました。
サウジ主導アラブ連合のアルマーリキ(Turki Al-Maliki)報道官は同日夜、民兵組織・イエメン人民委員会とイエメン軍の無人機がサウジ南西部を攻撃したことを認めました。
イエメン軍の無人機がアブハ空港を攻撃するのは、この5日間で4回目となります。同空港は、アラブ連合の多くの戦闘機がイエメン各地への空爆のために使用しています。
テロ組織ISISも、声明を発表して、アラブ連合と正式に協力してアンサーロッラー軍と戦うことを明らかにしています。
一方、アラブ首長国連邦の配下にある武装要員が、イエメン南部において、同国東部のマアリブ県に移動中だったサウジ支援下のハーディ旧政権の軍に攻撃を仕掛けたことが伝えられました。
サウジアラビア主導アラブ連合軍は、2015年3月から複数のアラブ諸国が集まった連合という形で、米国の支援と暗黙の了解のもと、追放されたハーディ元イエメン大統領の復権を口実に、自身の政治的目的と野心を実現するため、アラブ圏最貧国のイエメンに対して大規模な攻撃を開始しました。この攻撃の結果として、イエメンではこれまでに数千人の人々が殺害されています。
特に新型コロナウイルス大流行の最中でのサウジアラビアの軍事侵略により、アラブ圏最貧国のイエメンは、食糧と医薬品の深刻な不足に直面しています。
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