7月 26, 2022 18:37 Asia/Tokyo

ジンバブエが、インフレ抑制と米ドル依存の緩和を目的に、金貨を導入しました。

フランス通信が26日火曜、報じたところによりますと、ジンバブエが25日月曜に導入した金貨は、有名なビクトリアの滝にちなんで「モシ・オア・トゥニャ(雷鳴とどろく水煙)」と命名され、純度91.7%(22金)で重さ約31.1グラム。銀行が国際金相場で販売します。

シリアルナンバー入りの金貨は換金や国際取引も可能で、1枚当たりの価値は今月22日時点で1725ドル(約23万5000円)相当とされ、購入者は証明書付きで現物を所有するほか、銀行の金庫に預けることもできます。

ジンバブエ政府は、インフレが急進しジンバブエ・ドルの下落が止まらない中で、金貨導入は経済へのてこ入れになると主張しています。

ジンバブエは金の主要産地で、材料には地元産の金を使用することになりますが、金貨の鋳造枚数は不明とされています。

ジンバブエの6月のインフレ率は191.6%で、米ジョンズ・ホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授(応用経済学)によれば、公式数値で世界最悪の水準だということです。

ジンバブエ・ドルへの信頼は非常に低く、商品やサービスの価格設定はほぼ米ドルが基準となっています。

ただし、専門家は金貨導入の効果には懐疑的で、経済学者のプロスパー・チタンバラ氏は「マクロ経済を安定させるという点で大きな効果はないだろう」とし、ほとんどのジンバブエ国民は非常に貧しく、金貨を購入する余裕はないと指摘しました。

同じく経済学者のギフト・ムガノ氏も、暗号資産(仮想通貨)が普及する中での金貨導入について「金で取引していた19世紀に逆戻りしているようだ」と一蹴し、「わが国はもっとデジタル金融やデジタル通貨に注力する必要がある」と述べています。

 


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