IMFが世界の成長予測を下方修正、欧米を中心に低い成長率
IMF国際通貨基金が、世界の経済成長率の見通しを前回の予測から0.2%下方修正しまし、特に欧米を中心に低い予測となっています。
ロイター通信によりますと、IMFは11日火曜に発表した最新の世界経済見通しで、2023年の世界の実質成長率を2・7%とし、7月の前回予測から0・2ポイント下方修正しています。
ちなみに、22年は3.2パーセント(前回7月予想からの増減率:±0ポイント)との予測を示しています。
国別でみると、日本は22年が1.7パーセント(±0ポイント)、23年が1.6パーセント(-0.1ポイント)となっており、高インフレと賃金上昇の遅れで消費者の購買力が伸び悩むことが影響するということです。
また、ロシアは22年に-3.4パーセント、23年に-2.3パーセントとされており、7月時点では、22年に-6パーセント、23年に-3.5パーセントの経済成長が予測されていましたが、それぞれ2.6ポイント、1.2ポイント上方修正されました。
さらに、ウクライナの22年の経済成長率は-35パーセントで、消費者物価指数は20.6パーセント上昇するとしています。
そのほか、米国が22年:1.6パーセント(-0.7ポイント)、23年:1.0パーセント(±0ポイント)、ユーロ圏が22年:3.1パーセント(+0.5ポイント)、23年:0.5パーセント(-0.7ポイント)、中国が22年:3.2パーセント(-0.1ポイント)、23年:4.4パーセント(-0.2ポイント)などとなっています。
IMFはまた、「世界のインフレのピークは22年末に訪れる。だが、高インフレの水準が当初予想されていたよりも長く続くことになる。24年には4.1パーセントにまで下がるとみられる」との見方を示しました。
IMFの公表した予想によると、インフレ率は21年に4.7パーセントだったのが、今年8.8パーセントにまで上昇し、23年は6.5パーセント、24年に4.1パーセントになるということです。
7月の予想では22年は8.8パーセント、23年は5.7パーセントとなっていたため、インフレの影響が長く続くと評価を見直した格好となっています。
これに関しては、インフレ抑制のため各国の中央銀行が実施している利上げなどが要因と分析されています。
なお、チーフエコノミストのピエール・オリビエ・グランシャ氏は「最悪期はこれからであり、多くの人は23年に景気後退を感じることになるだろう」と指摘しました。