オランダ政府が正式謝罪、過去の奴隷制めぐり
12月 20, 2022 14:49 Asia/Tokyo
オランダのマルク・ルッテ首相が、同国政府を代表して、過去の歴史における奴隷制への関与および、今なお続くその影響について謝罪しました。
ルッテ首相は19日月曜、オランダ公共放送のテレビ演説で、「私は今日ここに謝罪する。数世紀にわたってオランダ政府とその代表は、奴隷制を採用・促進し、そこから利益を得てきた」と述べました。
その上で、「確かに、現在を生きる人が、過去の奴隷制について個人的に罪を背負うことはない。しかし、オランダ政府は、奴隷とされた人やその子孫にもたらされた苦しみに重大な責任を負っている」としています。
ルッテ首相はまた、オランダ政府が南米スリナム共和国やのほか、オランダ王国の海外領土であるカリブ海の島々に総督を派遣すると述べました。
オランダは長年にわたって奴隷制を維持し、また奴隷の殺害を行ってきました。オランダが奴隷制に占めていた割合は英仏など他の欧州諸国と比べて低いものの、オランダの奴隷とされた多くの人が命を落としています。このことは、オランダが奴隷に対する医療サービス提供を怠ったことを示しています。
これ以前に、カリブ海の一部の国はオランダ政府に対し賠償金を支払いを求めていました。オランダは250年にわたって奴隷制を採用し、この制度を最後に廃止した国です。