ベネズエラの自称「暫定政府」解散、米によるゲームが終結
-
アン・グアイド氏
ベネズエラ合法政府に反対していた野党が、アメリカの支持を受けてフアン・グアイド氏の主導により自称していた「暫定政府」を解体するとし、アメリカによるベネズエラを駒としたゲームに終止符が打たれました。
ファールス通信によりますと、ベネズエラ野党は30日金曜、自称・暫定政府の解散に関する投票を行い、現合法政府であるニコラス・マドゥロ政権に反対する西側寄りのフアン・グアイド氏を指導者とするこの自称政府を終わらせました。
米紙ニューヨークタイムズは、「フアン・グアイド氏はマドゥロ政権への抵抗の象徴であり、30日金曜の投票結果は、グアイド氏を強く支持するアメリカ政府の敗北となった」と報じました。
マドゥロ大統領が権力を維持する一方で、グアイド氏が国民の支持や反体制諸派をまとめる能力を示せずにいた自称・暫定政府は、影響力を近年失っており、今年2回目となった先行きを決める投票が最後のものとなりました。
30日金曜の投票は、ベネズエラ野党がグアイド氏の掲げる目標の達成をもはや信じず、別の戦略を取ろうとしていることを示した形となりました。
グアイド氏はかねてから、マドゥロ現大統領を権力の座から引き摺り下ろし、「民主主義を復活させる」ことを目標として発表していました。
ベネズエラの野党議員はこの投票で、賛成72票、反対29票、棄権8票で、来年1月4 日以降、グアイド氏を「暫定大統領」とすることを終了すると決定しました。
39歳のグアイド氏は、2019年にベネズエラ国民議会の議長に就任しましたが、同年にニコラス・マドゥロ氏が大統領に再任した後、選挙が不公正だったと主張し自身のベネズエラ暫定大統領就任を宣言していました。アメリカはグアイド氏を支持し、宣言を受けて同氏をベネズエラの大統領として認めると発表しました。
グアイド氏は29日木曜のツイートで国民議会に対し、自称・暫定政府解散の代わりに、国会と暫定政府のために新大統領を選出するよう提案していました。しかし、同氏所属以外の3野党は、暫定政府解散に必要な過半数の票を集めることに成功しました。