ロシア外務次官、「日本は米の政治秩序と折り合いをつけ、対ロ協力以外にない」
ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官が、「日本政府は対露制裁に没頭しているが、実際の日本は、米政府の政治秩序という『原則』と折り合いをつけ、必要な分野でロシアと協力することを余儀なくされている」と語りました。
ルデンコ外務次官は、10日火曜発行のロシア紙イズベスチヤのインタビューで、さらに、「日本政府が制裁措置に全面的に関与することで、米政府の政治秩序を絶対的に守っているということは、我々にとって極めて明白である」と指摘しました。また、「しかし、実際の生活が示すように、ロシアとの協力がなければやっていけない分野では、日本人は国益から切り離された『原則』と折り合いをつけざるを得ない」と述べました。
さらに、日本政府はロシアの石油・ガス事業「サハリン1」および「サハリン2」の株主である日本企業に対し、国のエネルギー安全保障を確保するという口実で事業への参加を継続するよう勧告した、と強調しました。
そして、「岸田内閣は『サハリン2』から輸入する原油を、ロシア産エネルギーに対する価格上限設定の対象から外すようG7同志国に要請した」と付け加えました。
日本政府は昨年12月5日から、ロシア産原油に対する上限価格を超える取引を禁止すると発表しました。
一方で、日本の商社も参画する「サハリン2」で生産された原油については、日本のエネルギー安全保障の観点から規制の対象外としています。
これに先立ち、米国は「サハリン2」から日本に海上輸送される原油の関連で、すべての取引を2023年9月30日まで許可しました。
昨年2月23日にウクライナ危機が勃発して以来、日本とロシアは相互間に一定数の駐在外交官らを国外追放し、また日本は対ロシア制裁を行使するなど、両国関係は極めて悪化しています。
しかし、その一方でロシアは「サハリン1」「サハリン2」などへの日本の参加を認め、また日本も、日ロ関係発展に功績のあった安倍元首相の国葬へのロシア代表の参加を認めるなど、両国は一定の関係を維持しています。