仏憲法評議会、不人気な年金支給開始年齢引き上げを可決
(last modified Sat, 15 Apr 2023 09:15:59 GMT )
4月 15, 2023 18:15 Asia/Tokyo

フランスの最高裁に相当する憲法評議会が14日金曜、年金支給開始年齢を2歳引き上げて64歳とするマクロン仏大統領の不人気な計画を可決しました。

フランスのデモ参加者

 

米CNNによりますと、マクロン大統領は今週末にもこれに関する新法を施行する見通しであり、これにより同国では年金の支給開始年齢がこの9月から64歳に引き上げられることになります。

また憲法評議会は新法の一部の要素について無効としたものの、最も物議を醸す要素はそのまま残されており、年金の支給開始年齢を徐々に引き上げる内容がこれに当たります。

 

仏憲法評議会、不人気な年金支給開始年齢引き上げを可決

 

しかし、カタール国営衛星通信アルジャジーラによりますと、フランス憲法評議会での7時間に及ぶ審理の末にこの計画が可決された後、フランスの全国各地では、これに反対する抗議デモが開始されています。

あるデモ参加者は、「結果は予想がついた。別に驚かないし、実際のところたいして気にもしていない。改革が廃止になるまで戦いたいだけだから」とコメントしました。

今回の判断が下るのに先駆け、首都パリでは抗議行動が予想されるとして警備体制が強化されていました。

 

フランスのデモ参加者

 

米CNNも、今回の計画の承認・可決はマクロン大統領にとって大きな勝利となる一方で、同大統領の政治的な代償は大きく、支持率は史上最低水準に落ち込んでいます。

マクロン氏の掲げる年金改革を巡っては今年に入り、フランス全土で大規模な抗議行動が発生し、主要な公共サービスが麻痺(まひ)する事態となっているほか、警察とデモ参加者との暴力的な衝突も発生しています。

 

フランスのデモ参加者

 

フランス政府は、既に下火となった兆候も見える抗議デモについて、このまま終わりを迎えることを期待していますが、引き続き路上に繰り出すと明言する参加者も少なくありません。

フランスにおいて年金改革は常に慎重な扱いを必要とする問題ですが、この数カ月は一段とその傾向が強まっています。

その背景には、生活費の高騰に伴って膨れ上がる社会の不満が挙げられます。

 

フランスのデモ参加者

 

なお、憲法評議会は今回、改革の是非を問う国民投票の実施を求める野党議員の最初の要請も退けており、今月13日に出された2度目の要請は依然として検討中です。

マクロン政権はかねて改革の必要性について言及し、年金制度の財政が向こう数年間の赤字から脱却するには必須の措置だと強調しています。

 


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