フィンランドで、欧州最大級の原発が本格稼働
4月 17, 2023 15:33 Asia/Tokyo
フィンランドで、ヨーロッパ最大級の原子力発電所が本格的な運転を開始しました。
フランス通信によりますと、フィンランド南西部のオルキルオト原発で16日日曜未明、欧州最大級となる3号機(出力160万キロワット)が本格的な運転を開始しました。
運営会社TVOによりますと、オルキルオト原発の原子炉は次世代型の欧州加圧水型炉(EPR)で、約18年前に着工し、当初予定から14年遅れての通常運転開始となりました。
TVOのヤルモ・タンフア最高経営責任者(CEO)は、原発は「環境に優しい」として、フィンランドとして「最高の切り札」の一つになると強調しています。
同社によれば、3号機は国内電力需要の約14%を賄うことになり、「少なくとも今後60年」は稼働する予定だということです。
フィンランドでは、ロシアによるウクライナ特殊軍事作戦開始後のエネルギー供給不安から、今冬に入って原発の能力拡大へのニーズが高まっていました。
一方、欧州最大の経済大国ドイツは、2002年に脱原発を法制化し、2011年には日本のTEPCO東京電力福島第1原発の事故を受け、当時のアンゲラ・メルケル政権が脱原発を前倒しすることを決めていました。
ドイツは、ウクライナ危機に伴いロシア産の天然ガスの供給が減少したことなどから3基の稼働停止を先延ばししていましたが、現地時間の今月15日深夜、原発利用に幕を閉じた形となっています。
特に、ウクライナでの特殊軍事作戦実施を口実とした、欧米諸国による対ロシア制裁は皮肉にも、ウクライナ戦争の長期化を招くとともに、世界全体でのエネルギー価格や物価の高騰、インフレを引き起こしています。