国連、米による事務総長らへのスパイ行為巡る報道に懸念表明
4月 19, 2023 14:36 Asia/Tokyo
国連が、国連事務総長らに対するアメリカのスパイ行為をめぐる報道に懸念を示しました。
ロイター通信によりますと、国連のドゥジャリック報道官は18日火曜、米国がグテーレス事務総長および他の国連高官に対してスパイ行為を行っていたとの報道について、米国に対し正式に懸念を表明したと述べました。
また、「このような行為は、国連憲章および国連の特権と免責に関する条約に列挙されている米国の義務と矛盾していることを明確にした」ということです。
これに先立ち、米政府の機密文書がインターネット上に流出した問題で、英BBCは、米国が国連のグテーレス事務総長の通信を傍受していたことが明らかになったと報じていました。
流出した文書には、グテーレス氏と副事務総長の私的な会話が記録されており、その上で、黒海経由のウクライナ産穀物輸出に関して国連が仲介した合意を巡り、グテーレス氏がロシア寄りの姿勢を取っていると批判する記述がありました。
これについても、ドゥジャリク事務総長報道官は、「事務総長はスパイ行為には驚いていない。私的な会話の内容がゆがめられ、公開されることは残念だ」としたうえで、「(グテーレス氏は)どこかの国に甘いわけではない。政策的な決定だ」と強調しています。
こうした動きの一方で、米政権は交流サイト(SNS)に機密文書が流出した問題の火消しに躍起となっています。
米政権高官は今月17日、同盟・友好国の高官と連絡を取り、機密情報の管理に関する疑念の払拭を図っていると明らかにしました。
タグ