デジタル時代において、民間人は期せずしてスパイと化しているのか?
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過去25年間においては、インターネットやスマートフォンなどのデジタル接続が、紛争地域を含む世界中に広く普及しました。
(last modified 2025-08-13T09:33:37+00:00 )
8月 13, 2025 17:51 Asia/Tokyo
  • デジタル時代において民間人は期せずしてスパイと化しているのか?
    デジタル時代において民間人は期せずしてスパイと化しているのか?

過去25年間においては、インターネットやスマートフォンなどのデジタル接続が、紛争地域を含む世界中に広く普及しました。

米カーネギー国際平和財団は最近、ある記事において「技術の進歩は軍隊にとって新たな脅威を生み出し、戦争や民間人の参加という概念に根本的な変化をもたらした」としています。

【ParsToday国際】紛争地帯にいる民間人はスマートフォンを通じて映像、動画、GPS位置情報といったタイムリーかつ正確な情報を容易に送信でき、それが軍事目標の設定や意思決定プロセスに直接影響を与えています。

現代のデジタル世界では、民間人が収集した情報が軍事目標の設定や作戦に利用される可能性があります。例えば、民間人が軍事目標の写真を撮影し、SNSに投稿することで、敵対勢力による攻撃を直接支援できるようになります。

伝統的、旧式には、スパイ・諜報活動は武装軍にとって大きな脅威であり、これに関与していた者は厳しい処罰に直面していました。しかし今日ではスパイ、協力者、そして情報源の識別がより複雑になっています。現代の世界では、インターネットとスマートフォンにアクセスできる人は誰でも、たとえスパイ活動の意図がなくても、一時的または永続的に情報源となる可能性があり、これは軍隊と国際法にとって新たな課題を提起しています。

ここで問題となるのは、民間人の戦争への直接参加と間接参加の区別です。直接参加とは、標的の情報提供など、戦争に明確かつ直接的に貢献する行為を指します。一方、間接参加は、通常の条件では民間人に危険を及ぼさない活動を指します。今日のデジタル時代において、これら2種類の参加の境界線はますます曖昧になっています。例えば、公開データを通じて軍事目標の位置を特定し、それをオンラインで公開した者は事実上、同じ情報を軍に直接渡したスパイ工作員と同等の責任を問われることになります。

各国政府はこうした変化に対応して、デジタル面での脅威に対処するための新たな政策を策定する必要があります。これらの政策には、デジタル情報源への対応、武装軍と民間人の交流の管理、そして民間人の特定と危害からの保護といった新たな方法が網羅されていなければなりません。この点における重要な課題は、新たな脅威をもたらしうるデジタル情報源に軍隊がどのように対応するか、ということです。軍隊はデジタル上の脅威を認識し、それらに対抗するために必要な措置を講じる必要があります。

さらに、各国政府はデジタルシステムの設計において、公共サービスへのアクセスと戦争参加の間の干渉が阻止されるよう注意を払うべきです。例えば、民間人が紛争関連情報を軍に送信できるアプリを政府が開発した場合、そのアプリの使用は民間人の間接的な戦争参加につながる可能性があります。これは、ウクライナやロシアなどの紛争において特に顕著であり、政府は諜報システムを強化するために民間人が生成したデータを利用するケースが増えています。

総じて、デジタル技術の進歩は、戦争の方法と民間人の参戦方法に大きな変化をもたらしました。こうした変化は、民間人の権利の保護及び、デジタル上の脅威の効果的な管理のために、法と軍事政策の見直しを必要としています。各国政府は、デジタル上の脅威を効果的に管理し、民間人の権利を守るべく新たな基準の策定および、軍隊の訓練に向けて準備を整えなければならないのです。

 

 


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