国連; 気候変動対策「すでに敗北」、氷河誘拐は劇的に進行
4月 22, 2023 15:23 Asia/Tokyo
国連のWMO世界気象機関が、気候変動の影響に関する年次報告書を発表し、世界の氷河が昨年、劇的なペースで融解したことを明らかにしました。
フランス通信によりますと、WMOのペッテリ・ターラス事務局長は21日金曜、氷河を救う試みは「すでに敗北した」との見解を示しています。
WMOの発表では、世界の過去8年間の気温は観測史上最高を記録し、二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度も過去最高に達しました。
また南極の海氷面積は過去最小に縮小し、欧州の一部氷河の融解ペースは「文字通り、図表をはみ出すほど高かった」ということです。
さらに、2021年のCO2の世界平均濃度は415.7ppmと、産業革命前の1750年比で49%増加。メタンは162%増、一酸化二窒素は24%増を記録しており、データからは、22年も増加を続けたことが示されています。
ターラス事務局長は、「CO2濃度がすでにこれほど高まっていることから、われわれは氷河(を救う)試みにすでに敗北した」と説明しました。
さらに、スイスのアルプス山脈では昨年夏、氷河融解ペースが過去最高の6.2%に達したと指摘しました。
特に近年では、世界各地で山火事や台風やハリケーンおよび、それに伴う風水害のほか、異常高温や異常低温などの現象が頻発しており、これらは世界規模での気候変動の影響と見られています。