4月 27, 2023 15:36 Asia/Tokyo
  • パナマ運河
    パナマ運河

中米パナマ当局が水不足の影響で、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河の通航制限に追い込まれています。

フランス通信が27日木曜、報じたところによりますと、ACPパナマ運河庁は今年の渇水期に既に5回、大型船舶の通航を制限しています。

パナマ運河は世界の海上交通の約6%を占めており、航行する船舶の大半は米国、中国、日本の船籍です。

この問題について、運河庁の責任者エリック・コルドバ氏は「通航料が最も高い大型船舶の通過が制限され、収入にも影響が出ている」と語りました。

2022年度の通航量は1万4000隻以上で、政府の年間歳入は25億ドル(約3300億円)に上りましたが、当局は、航路を変更する海運会社が出てくることを懸念しています。

 

パナマ運河

 

パナマ運河は海抜26メートルの人造湖ガトゥン湖を頂点とし、閘門(こうもん、ロック)で仕切られた閘門式運河で、船1隻が航行するたびに2億リットルの淡水が海洋に流れ込みます。

この水源となっているのが、コロンにあるガトゥン湖と、同じく人造湖のアラフエラ湖ですが、いずれの人造湖も降水量不足で部分的に干上がっており、運河庁によると、去る3月21日から4月21日で、アラフエラ湖の水位は7メートルも低下しました。
パナマの気象・水文地質学研究所のルス・デカルサディージャ氏は「全国的に雨が少ないが、通常の乾期の範囲内」とした上で、「エルニーニョ現象により、下半期も降水量が減少する可能性が高い」として懸念を示しています。
こうしたことを踏まえ、運河庁のホルヘ・キハノ元長官は、「(運河に)水を供給する新たな貯水池がなければ、運河の発展が危ぶまれる」「新たな水源確保が急務だ」と述べました。
 


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