4月 30, 2023 18:46 Asia/Tokyo
  • 女子テニス・セレシュ襲撃事件
    女子テニス・セレシュ襲撃事件

女子テニスのモニカ・セレシュが、ドイツ・ハンブルクで開催された大会の試合中に背中を刃物で刺された事件から、30日日曜で満30年となります。

フランス通信によりますと、この事件は当時19歳だったセレシュの人生を変え、スポーツ大会の警備態勢を見直すきっかけにもなったとされています。

チェンジコート中のセレシュを刺した無職の男は、ドイツの強豪選手シュティフィ・グラフの熱狂的ファンで、セレシュがグラフから世界ランキング1位の座を奪取したことに腹を立てたのが犯行動機となりました。

セレシュを刺した男は、パーソナリティー障害があったと判断され、殺人未遂ではなく暴行未遂の罪で執行猶予判決を受けました。

さらに、男はその後の人生を施設の一人部屋で過ごし、昨年8月に亡くなっていたことが今月に入って明らかになっています。

セレシュは2年後の1995年にツアー復帰を果たし、翌年には通算4度目の全豪オープン制覇を達成しました。

しかし、襲撃事件前に見せていた本来の力を取り戻すことはできず、2008年2月に現役を引退しました。

事件から20年が経過した2013年、セレシュは自叙伝で「あのことから距離を置くというのは無理な話。あれで自分のキャリアは一変し、魂も取り返しのつかないほどのダメージを受けた」と明かし、「あの一瞬で、自分は別人になった」と語っています。

セレシュは1990年に史上最年少の16歳で全仏オープン女王となり、91、92年には世界ランキングで年間1位を記録するなど、事件前は飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが、その後グランドスラムでタイトルを獲得したのは一度だけに留まりました。

 


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