トルコ、スウェーデン、NATOが三者会合で共同声明発表
リトアニア・ビリニュスで、トルコとスウェーデンの首脳およびNATO北大西洋条約機構の事務総長による三者会合が行われ、共同声明が発表されました。
この三者会合では、スウェーデンのNATO加盟問題と、トルコのEU加盟手続き促進に焦点が当てられました。
フィンランドとスウェーデンは、昨年のウクライナ戦争開始から約3か月後、それまでの中立政策を破棄して、NATOへの加盟を申請しました。その実現には、現加盟国全ての承認が必要となりますが、トルコは、自国がテロリストに指定しているPKKクルド労働者党のメンバーを匿っているという理由で、スウェーデンの加盟に強く反対していました。
トルコはその一方、さらなる利益を望み、50年以上前から申請している自国のEU加盟を進めるべきだと主張しています。
トルコのアナトリア通信によりますと、今回の共同声明では、トルコが抱く正当な安全保障上の懸念を解消するために三者が協力するとしながら、スウェーデンの憲法改正およびテロ組織PKKとの戦いにおける協力にも触れ、さらにトルコへの武器輸出も再開される予定だと説明されました。
共同声明ではまた、トルコとスウェーデンが、2022年にNATO首脳会議が決議した戦略概念および、閣僚レベルで年一回更新する予定の二者間安全保障枠組みの中で、協力を続けることに合意したと強調されました。
声明はさらに、スウェーデンが初めて出席することになるNATOの安全保障委員会会合において、三者協定の第4条などの完全実施に向けて、あらゆる形のテロリズムと戦うための基盤となるロードマップを提示するとしたほか、同国が、トルコでテロ指定されているシリアのクルド人組織「PYDクルド民主統一党」とその影響下にある「YPGクルド人民防衛部隊」を支援しないことを、改めて強調しました。
NATOのストルテンベルグ事務総長も、同機構があらゆる形のテロを断固として非難すると主張しています。