合法的な略奪:米企業が南米ガイアナで富を築いた方法とは?
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南米大陸北東部の大西洋に面したギアナ地方(ギアナ・ガイアナ・グアヤナ)
ガイアナ協同共和国は南米大陸北部、カリブ海に面した国で、近年になって膨大な石油資源が発見されました。
【ParsToday国際】南米大陸における唯一の英語圏であるガイアナは、スリナム、ブラジル、ベネズエラに隣接しており、1996年にイギリスから独立しました。首都ジョージタウンは、1812年に元イギリス国王ジョージ3世(1738-1820)にちなんで命名されたものです。ガイアナは隣国と国境・領土紛争を抱えており、スリナムとベネズエラはガイアナの面積の4分の3を領有権を主張しています。注目すべき点は、近年ガイアナで膨大な石油資源が発見されたことです。
ガイアナは経済成長率4.4%、40億ドルのGDP国際総生産を誇っていますが、20億ドルの対外債務も考慮に入れる必要があります。貧困、汚職、そして広範囲にわたる失業が蔓延しており、汚職は国全体を覆い尽くし、世界各国の腐敗や汚職を監視する国際的なNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」によれば、ガイアナは176カ国中93位にランク付けされています。
面積21万5000平方キロメートル、人口78万人と報告されているガイアナは、総人口の55%がアフリカ系、30%がインド系とパキスタン系となっています。ガイアナの経済は世界161位とされていますが、政治的な位置づけは明確ではなく、首都ジョージタウンに駐在する外国大使館はわずか10カ所のみです。近年、ガイアナは多国籍企業による石油資源開発のモデルケースとなっています。2015年には推定埋蔵量は55億バレルとされる「スタブルック・ブロック鉱区」で今世紀最大級の油田の一つが発見されました。またこれまでに12の油層が発見され、さらに油層が発見される可能性もあることから、この貧困国は一躍、石油会社の注目を集めるようになりました。
米エクソンモービル社は、この鉱区の45%の権益を保有する単独事業者として、探査、開発、生産を全面的にコントロールしています。600億ドルを超える巨額投資と7つの主要プロジェクトの立ち上げにより、同社はガイアナの石油生産量を2019年のゼロから2025年末までに日量約90万バレルにまで増加させ、2025年末までに日量170万バレルの生産目標を追求しています。このように、この米国企業はガイアナの石油を略奪することで巨額の利益を挙げているのです。
複数のデータによれば、ガイアナの産油量は2025年10月の日量84万1000バレルだったのが、その翌月の11月には日量89万4000バレルに増加しました。同国政府が発表したデータでは、4カ月連続の増産となっています。
2025年後半には、ガイアナの石油・ガス生産の全てを統括する米国石油大手エクソンモービル率いるコンソーシアムが4基目の浮体式生産施設を追加したことで、産油量が増加しました。複数のデータによりますと、2025年11月のガイアナの産油量の水準は、2025年の最初の11ヶ月間の累計平均生産量を日量約70万バレルに増加させ、南米の近隣産油国の大半を上回っています。
ガイアナ経済は石油収入への依存度をますます高めています。2020年代末までに石油収入は年間75億ドルに達すると予想されていますが、「オランダ病」(天然資源の輸出により製造業が衰退し失業率が高まる現象)と汚職の増加が深刻な懸念となっています。
エクソンモービルは雇用創出(労働力の70%がガイアナ人)や地元供給業者との契約(2015年以降約30億ドル)を主張していますが、批評家は「これらの資源から得られる利益の大半は外国の石油会社とその株主のものになっている」と主張しています。
この石油資源の存在により、ガイアナ西部エセキボ地域の領有権を主張するベネズエラとの長年の国境紛争が危険な規模に激化しています。ベネズエラは、領海内の油田の大部分を領有権を主張しています。石油大手エクソンモービルの存在により、この紛争は今や、国際的なスケールを持つ大規模なエネルギーゲームへと化しているのです。

