国連安保理が、ニジェールでのクーデターを非難
国連安保理が、西アフリカ・ニジェールでの違法な政権交代宣言を非難するとともに、同国のバズム大統領とその側近らの即時無条件解放を求めました。
ニジェール大統領警護隊は今月26日、同国のバズム大統領の身柄を拘束し、その解任を宣言するとともに、国内での往来禁止令を実施しました。
旧宗主国のフランス寄りで西側に協力的とされているバズム大統領は2021年2月、フランスから独立して以来初めて選挙で同国の大統領として選ばれました。
イルナー通信によりますと、国連安保理の声明では「我々は、ニジェールでの政権交代を狙った憲法に反する行動を強く非難するとともに、選挙で選ばれたバズム・ニジェール大統領とその家族並びに、政府関係者の即時無条件釈放を要求する」とされています。
国連安保理はさらに、違法な政権交代が地域に与える悪影響について懸念を表明しました。
「祖国救済国家評議会」を自称するニジェールの軍司令官グループは今月27日、クーデターで権力を掌握したと発表し、「ニジェールへの外国からの軍事介入は、国家と国民に悲惨な結果をもたらす」と警告しました。
クーデター勢力はまた、大統領警護隊を率いるチアニ将軍が同評議会の議長として国家元首に就いたとしました。
ニジェール軍は同国におけるフランスの駐留と影響力行使に反対し、フランスと密接な関係を保つバズム氏の方針に反対していました。
現在、ニジェール首都ニアメーには1,000人から1,500人のフランス軍と数百人のアメリカ軍が駐留しています。
クーデター発表の数時間後、ニアメーでは多数のデモ参加者がフランス国旗に火を放ち、フランスから離れロシアへ近づくべきという意味を込めて、ロシア国旗を掲げる者もいました。
ニジェールはアフリカ大陸の北西部に位置する人口2,000万人の内陸国で、1960 年にニアメーを首都としてフランスからの独立を宣言しました。しかし独立後も、同国では4度クーデターが起きているほか、クーデター未遂も数多く発生しています。