ソロモン首相、国連総会で日本の処理水放出を非難
南太平洋の島国ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相が、日本による福島原発のALPS処理水の海洋放出を非難しました。
フランス通信によりますと、ソガバレ首相は22日金曜、米ニューヨークの国連総会での演説でTEPCO東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を非難し、緊密な関係を築いてきた中国への同調を示しました。
また、処理水の海洋放出に「がくぜん」としていると述べ、ソロモン諸島にも影響があると警告し、「この核廃水が安全なら、日本国内で保管すべきだ。海洋投棄したという事実が、安全ではないことを示している」と主張しました。
さらに「この行為は国境と世代をまたいで行われる、世界の信頼と団結に対する攻撃だ」として、日本に対し海洋放出を「即時」中止し、代替策を講じるよう求めました。
一方で、日本政府は「海洋放出は安全だ」と主張し、IAEA国際原子力機関もこの見解を支持しているほか、米国をはじめとする西側諸国も理解を表明しています。
処理水の海洋放出について、日本の近隣諸国はかねてから懸念や難色を示してきたほか、日本国内でも地元福島などを中心に風評被害を懸念する声があがっています。
中国政府は、日本が海を「下水道」のように扱っていると非難し、日本産水産物の輸入を全面停止するなど猛反発しており、中国国民も日本人学校や日本領事館に石や卵を投げ付けるなどの行動に出ています。
また、韓国でも各地で抗議活動が行われているほか、香港政府も日本の10都県で2023年8月24日以降に収穫・製造・加工・パッキングされた水産物の輸入禁止措置を開始しました。
これに対し、日本の環境省は先月30日に行った海水中の放射性物質のモニタリングの結果について、1回目に続き「検出できる下限の値を下回り、人や環境への影響がないことを確認した」と発表しており、今後の動向が注目されます。