米アカデミー賞受賞したユダヤ系グレイザー監督のスピーチ
2024年の米アカデミー賞授賞式で、『関心領域』により国際長編映画賞を受賞したユダヤ系イギリス人のジョナサン・グレイザー監督は、自身のユダヤ人としてのアイデンティティをシオニスト政権イスラエルの占領行為に乗っ取られたとしました。
グレイザー監督の受賞時スピーチは、次のようなものでした;
「この賞を与えてくれたアカデミー協会にお礼を申し上げます。また、信頼をよせ導いてくれた、A24、Film 4、Access、ポーランド映画協会、国立アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館にも感謝を申し上げます。 そして、プロデューサーと俳優、協力者のみなさんにも。
私たちの本作におけるすべての判断は、現在を反映させ、現状と向き合うために行われました。 (それは)『彼らがあの時何をしたか見て』ではなく、『私たちが今、何をしているかを見て』と言うためのものでした。私たちの映画は、人間性の喪失が招き出す、最悪の事態を描いています。そしてそれは、私たちの過去と現在を形作ってきました。
私たちは今、ユダヤ人性やホロコースト(の概念)が占領行為によって乗っ取られ、それがとても多くの罪のない人々を苦しめる争いに用いられていることに強く抗議するため、ここに立っています。
(2023年)10月7日のイスラエルへの攻撃での犠牲も、現在のガザ侵攻での犠牲も、すべては(本作にあるような)この人間性の喪失による犠牲なのです。私たちはそれにどう立ち向かうべきでしょうか? 本作でその生き方が輝きを放っていた (受賞作の登場人物のモデルで12歳でポーランドのレジスタンスに参加した)アレクサンドラ・ビストロン・コロジエイジチェック、彼女がその人生で行ったように、選んできたように(立ち向かいます)。
彼女と彼女の抵抗する姿勢に、この栄光を捧げます」