ネゲブ砂漠にあるイスラエルの刑務所セディ・ティマン;グアンタナモに並ぶ残忍な拷問の実態
(last modified Wed, 31 Jul 2024 06:57:43 GMT )
7月 31, 2024 15:57 Asia/Tokyo
  • ネゲブ砂漠にあるイスラエルの刑務所セディ・ティマン;グアンタナモに並ぶ残忍な拷問の実態
    ネゲブ砂漠にあるイスラエルの刑務所セディ・ティマン;グアンタナモに並ぶ残忍な拷問の実態

シオニスト政権イスラエルの刑務所から最近解放されたパレスチナ人は非常に混乱した状態であったことから、刑務所内などでのパレスチナ人捕虜に対するシオニストの対応に疑問がつきつけられています。

スイス・ジュネーブに拠点を置くNGOの欧州地中海人権モニターは最近、イスラエルの刑務所におけるパレスチナ人捕虜への人権侵害に関する声明を発表し、これらの捕虜が残忍な殺害・拷問をうけているとしました。パールストゥデイによりますと、証拠資料からは、ネゲブ砂漠中部ベアー・アル・サバ市の北西5キロにある占領者政権イスラエル軍南部司令部の基地内に設けられたセディ・ティマンを含む占領地内の複数の刑務所で人道法違反が続出していることが明らかになっています。件の刑務所は、今や悪名高いキューバのグアンタナモ刑務所の出来事を想起させる存在です。

欧州地中海人権モニターは、次のように報告しています;

イスラエル政権の刑務所や拘置所は、キューバに米国が設けていたグアンタナモ刑務所よりも血なまぐさい拠点と化しており、収容者らに対しありとあらゆる残忍な拷問、虐待、侮辱、屈辱が行われています。

 

殺害、激しい暴行、檻の中への監禁、手を縛ったままにする、そして一部の収容者に藁を食べさせるといった行為は、この刑務所内でなされ漏洩した出来事の氷山の一角に過ぎず、実際にはそれよりはるかに多い出来事が、件の刑務所内に隠蔽されたままになっています。

 

イスラエル刑務所内のパレスチナ人捕虜


カタールの新聞アルアラビー・アルジャディード紙は先日、一連の証拠資料を入手しました。それらの資料からは、この基地あるいはイスラエル占領政権の他の刑務所に収容されている収監者の中には、釈放されてから数週間が経過した今もなお、拷問の影響により治療を受け続けたり身体・精神面での問題に苦しんでいる者がいることが明らかになっています。

この報道に加えてイスラエル紙ハアレツも、セディ・ティマン野戦病院内で働くイスラエル人医師の証言として、同刑務所での衰弱させられての死亡を含む違法な死およびあらゆる種類の拷問について伝えています。

このイスラエル人医師は、ガラント・イスラエル戦争相およびその他の関係当局者に書簡を送付し、この拘置所で違法行為が続いていることについて警告してきました。

カタール国営衛星通信アルジャジーラで先日放映された収録動画では、解放されたパレスチナ人の元ボクサー、Muazziz Abyat氏が、非常に悪い体調で声も絶え絶えに「私の同胞たちは毎日ネゲブ刑務所で殉教している。収容者は3,000人いるが、イスラエル人看守に毎晩殴られている。彼らは食べ物を与えてくれない。浴室はなく、刑務所内では常識では信じられないような事態が起こっている」と訴えました。

 

イスラエル刑務所への収容前と解放後の元ボクサーMuazziz Abyat氏


この動画に対し、アルジェリア紙アル・ハバルは、「世界は、ガザで最低限の人権さえも蹂躙されていることやパレスチナ捕虜の大量虐殺という出来事に目を瞑り、偽善を行っている。イスラエル刑務所では日ごとに、占領者の犯罪に関する新たな恐ろしい話が聞かれる」と報じました。

英BBCのアラビア語ウェブサイトも、この問題をめぐる報道の波に反応し、元パレスチナ人捕虜Muazziz Abyat氏の写真が、SNS上でイスラエルの刑務所で今起こっている現実をめぐり反応を呼び起こしていると報じています。

アグアンタナモ刑務所の元囚人の一人Asadullah Haroon氏は、イスラエルの刑務所に収容中のパレスチナ人の写真を見て、米国の複数の拘置所での拷問を鮮明に思い起こしました。

同氏は2007年に逮捕され、罪名が全くないままにグアンタナモ刑務所に16年間拘留されていた。彼の話では、現在イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人も、自分と同じような扱いを受けているということです。

カタール・アルジャジーラ通信は、アメリカとイスラエルにおける拷問の類似性を裏付ける、もう1人のグアンタナモ元収監者が、「イラクとアフガニスタンで米主導多国籍軍による同様の拘禁、拷問、虐待を経験した人々は、これらの話に同意している」と語ったと報じました。

 

パレスチナ人捕虜を拷問にかけるシオニスト

 

グアンタナモ刑務所に罪名なしで3年間週間されていた英系パキスタン人の人権擁護活動家Moazzam Begg氏も、米軍とイスラエル兵士の行動の類似点を指摘し、「イスラエルの刑務所とグアンタナモの間には、収監者の扱い、全裸の強制、虐待、侮辱の仕方において、完全かつ明白で否定できない類似点が存在する」と述べました。

さらに、イスラエル刑務所に長年収容され最近解放されたパレスチナ人Al-Taweel氏は、パレスチナ人収容者が受けている拷問について言及し、「イスラエルの刑務所は、悪名高きアブーゴライブ刑務所やグアンタナモ刑務所と全く変わりない。 私は占領地南部ネゲブ地方の刑務所に入れられたが、そこでの出来事は衝撃的だった。ここに来た捕虜たちは屈辱的な方法で裸にされ、罵詈雑言を浴びせられ激しく殴打されていた」

もう1人の元捕虜であるパレスチナ人女性Aseel Al-Taiti氏も、イスラエルの刑務所はグアンタナモ刑務所に酷似していると述べています。アルアーラム通信は同氏の証言として、「私たちの状況は極めて劣悪で人道に反するものだった。捕虜となった女性たちは、所内でさまざまな方法で殴打され拷問を受けた」と伝えました。

グアンタナモとセディ・ティマンという2つの刑務所の類似点は、捕虜の扱いに留まりません。この2つの拷問拠点は自らの存在を正当化し、似たような論証と見解を利用して、自らの過剰なやり方を合法的だと吹聴しています。イスラエル政権はそのために、独立した見解を持つ法律専門家やメディアを、セディ・ティマンなどの軍事拘置所から遠ざけようと躍起になって姑息な工作に熱を上げているのです。

 


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