10月 05, 2024 16:18 Asia/Tokyo
  • プラトン、ニーチェ、レヴィナスらの哲学が教える、イスラエルの犯罪に対抗したイランの作戦への協力の示し方
    プラトン、ニーチェ、レヴィナスらの哲学が教える、イスラエルの犯罪に対抗したイランの作戦への協力の示し方

ニーチェのような哲学者は、「権力への意志」の重要性を強調してきました。そしてデジタル時代においては、「真理への意志」もこの意志の一部として捉えられる必要があります。

イランが最近行った「真の約束2」は、テロ、軍国主義、シオニスト政権イスラエルの占領行為に対する戦略的反応を明確に象徴した作戦でした。そして、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスのハニヤ事務局長のテヘランでの暗殺、レバノンにおける同国のイスラム抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー事務局長の暗殺、同国駐在のイラン軍事顧問ニールフォルーシャン司令官の暗殺、さらに抵抗の枢軸に対するイスラエル政権によるその他の最近の犯罪への対処という、さまざまな側面が合わさった報復として実施された作戦でもありました。

このような状況にあって、情報や言説の交換のための無限のプラットフォームであるネット空間は、世論に方向性を与え、また覇権主義や植民地主義の圧制に対する抵抗の精神を強化する上で、重要な役割を果たすことが可能でき、ネット空間のユーザーも、多角的な役割を担うかたちで今回のような作戦を支援できます。パールストゥデイのこの記事では、そうした支援のさまざまな側面を見ていき、現在の世紀の大闘争においてネットユーザーが果たせる役割について説明しています。

 

1. 抵抗のための真実の拡散

プラトンは自著『国家』の中で、正義とは常に真実に奉仕することであると定義しています。ネットユーザーらは、「真の約束2」作戦に関する正確で資料に基づいたニュースの投稿により、真実の追及に実際に携わることになります。その真実とは、シオニスト政権や西側のプロパガンダとは相反するものであるため、自由を求める諸国民によって明らかにされる必要があります。この種の活動はそれ自体が、ドイツ出身の米思想家ハンナ・アーレントなどの哲学者が指摘したように、真実の歪曲と検閲に対するある種の抵抗といえます。言い換えれば、真実は抑圧や無知との戦いにとって、ネット空間で中心的な役割を果たしうるのです。

 

2.抵抗の概念を表現する芸術・視覚的コンテンツの制作

ドイツの哲学者ヘーゲルによれば、芸術とはアイデア・構想が伴うものです。ネットユーザーは、抵抗作戦に関する画像や動画のコンテンツを制作することで実際、抵抗の概念を理論的なものから具体に感知できるものにしています。これらの芸術作品には、メッセージを伝えて集団的な感情を呼び起こす力があります。その感情は、正義及び抵抗という崇高な概念と結びつき、より深い社会的な変化へとつながりえます。ヘーゲル哲学において芸術が絶対精神のあり方の1つとして知られているように、この種のコンテンツ制作も、ネット空間における抵抗の精神を具現させることだといえます。

 

3.真実の理解に向けた矛盾解消させる対話

哲学的な観点から見ると、対話ができる空間は複数のアイデアを対峙させ、真実を生み出す場所だといえます。これはまさに、ギリシャの哲学者ソクラテスの矛盾を解消する手法である弁証法と同じです。ネットユーザーは、今回のイランによる「真の約束2」作戦に関連する議論や分析に加わることで、この出来事、さらに抵抗の枠組みにおけるその重要性についてより深く理解することができます。この種の対話は、特に情報が広範囲で操作されている場合には、ある出来事の真の側面を説明するのに重要な役割を果たし、集合知の形成に寄与していきます。

 

4.真実・虚偽が混在するネット空間での敵側のプロパガンダへの対抗

ニーチェのような哲学者は、「権力への意志」の重要性を強調してきました。そしてデジタル時代においては、「真理への意志」もこの意志の一部と見なされる必要があります。ネットユーザーは、反対派メディアのプロパガンダへ対抗することで、実際に知的・情報戦の最前線に立つことになります。この対抗は、信頼できる資料・証拠を公開し真実を擁護することによってのみ可能となります。プロパガンダは、反応なしに放置されれば、徐々に世論を誤った方向に導きます。「真の約束2」作戦がメディアに歪曲されないよう擁護することは、軍事的対抗と同じくらい重要かつ、哲学・倫理に沿った義務なのです。

 

5.ネット世界での共感による共通の価値観の伝搬

フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスは、他者に対する共感と責任を、最も基本的な倫理上の原則としています。ネットユーザーは、団結を示し抵抗勢力を支援することで、実際に、正義などの人類共通の価値観を強化し、圧政に対抗することができます。この「ネット世界での共感」は、支援のメッセージや抵抗組織の指導者の言葉の投稿という形で表れ集団の声となり、抑圧や暴虐に対抗しうるのです。

 

6.連帯を実際の行動で示すことを推奨

プラグマティズム・実用主義では、真実は実際の行動において証明されるものとされています。ネットユーザーは、他の人々への支援キャンペーンへの参加を推奨したり、軍や殉教者遺族へ感謝のメッセージを伝えることで、倫理的な行動を取ることへの重視を示すことができます。このような行動の重視は、ネット上で見せることのできるデジタル的反応というだけでなく、社会的・政治的な反応としての意味も持っています。

 

7.抵抗の言説の普及と、反圧政の集団倫理の再構築

ネットユーザーは、発言、論文、分析の引用を通じて抵抗の言説を広めることにより、集団倫理の再構築に寄与することができます。正義よりも物質的な利益が優先されることが多い世界において、この言説は、圧政への抵抗と人道的価値観復活を推奨し、世界規模で集団的救済を増加させるものなのです。

 

 


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