オランダの若者ら「イスラエル人はオランダが占領地ではないことを知るべき」―アムステルダム衝突関連最新ニュース
(last modified Sun, 10 Nov 2024 08:57:48 GMT )
11月 10, 2024 17:57 Asia/Tokyo
  • UEFAの試合が行われたオランダ首都アムステルダムで、イスラエルサポーターが親パレスチナ派市民と衝突。街路に掲げられたパレスチナ旗を引き裂いた。
    UEFAの試合が行われたオランダ首都アムステルダムで、イスラエルサポーターが親パレスチナ派市民と衝突。街路に掲げられたパレスチナ旗を引き裂いた。

イスラエルの報道各社が、アムステルダムでパレスチナ国旗を引き裂いたことで衝突・負傷したイスラエル市民の数が増加していると報じました。

【ParsToday国際】この記事では、オランダでパレスチナを侮辱し負傷したシオニストの増加、オランダからのイスラエル人の国外退去要請、シオニスト保護を目的としたアムステルダムでの警備強化などについて取り上げます。

 

パレスチナを侮辱し負傷したシオニストの増加

アムステルダムで7日夜に行われたUEFA欧州リーグのマッカビ・テルアビブ(イスラエル)対オランダ・アヤックスの試合後、シオニストの観客がパレスチナ国旗を引き裂きました。この行動を受けて激怒した地元の青年らがシオニストの観客を襲撃し、殴打しました。これに関してイスラエルのメディアは、「アムステルダムで負傷したシオニストの数が100人に増加し、4人が行方不明になった」と報じています。

 

イスラエルがオランダに支援要請

アムステルダムの事件を受け、イスラエル外務省はオランダ政府に対し、シオニストの国外への避難に向けた支援を要請しました。ネタニヤフ首相も、イスラエル人を避難させるため救援チャーター機2機をオランダへ出発させるよう命じました。

 

シオニスト保護のためアムステルダムでは警備強化

アムステルダム市内のイスラエル支持者らが集結するユダヤ人記念碑前では、9日土曜から保安警備が強化されています。この日は1938年にドイツ国内で起きたユダヤ人襲撃事件いわゆる「水晶の夜」の記念日にあたり、オランダ警察はこれにちなむあらゆるデモや集会の開催を禁止しました。

 

事件の発端はシオニスト側

英紙ガーディアンは、「現時点での報道によれば、最初に地元住民を挑発したのはイスラエル側サポーターで、彼らはパレスチナ国旗に放火し、マッカビサポーターが反アラブのスローガンを連呼した」と報じました。またロイター通信も、「事件当日にイスラエル側サポーターから入手された画像によると、マッカビのサポーターは、対アヤックス戦前の7日午後、反アラブ・反パレスチナのスローガンを連呼していた」と報じています。

 

イスラエルに忖度する西側諸国

アムステルダムでの事件後、親イスラエル派の極右である同国のディック・スホーフ首相はネタニヤフ首相と電話会談したと明かしました。バイデン米大統領も、今回の事件を「ユダヤ人排斥的な行動」であると主張し、非難しました。さらにマクロン仏大統領は、イスラエル人によるパレスチナ国旗への侮辱には言及せず、アムステルダムでの今回の事件を非難するにとどまりました。

 

反シオニスト感情に衝撃を受けたイスラエル

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は、オランダのウィレム・アレキサンダー国王との電話会談の中で、アムステルダムでの今回の事件を「恐ろしく衝撃的な問題だ」としました。一方、イスラエルメディアはこの事件を「困難な事件」「1つの失敗」などと報じています。特に、ヘブライ語新聞「マアリブ」のウェブサイトは、今回の出来事を報じる中で、「11月8日のオランダでの敗北」というタイトルでこの事件を取り上げました。

イスラエル第12チャンネルTVのニュースサイトも、自らの侮辱行為が原因で殴打・暴行を受けたシオニストの状況について取り上げ、「彼らは当日の夜、耐えがたく苦痛な時を過ごした。それは想像を絶する現実を物語っている」と報じました。

 

事件後、パレスチナ支持が拡大

アムステルダムでは、今回の衝突事件を受けて翌日8日金曜、ハマスの指導者の一人、サミ・アブ・ズーリ氏を支持する大規模な街頭デモが行われ、参加者らは、ガザ地区でのイスラエルによるパレスチナ人大量虐殺が国際的な介入がないまま続き、それが今回のアムステルダムのような事態を引き起こす引き金となっていると訴えました。

もう1つの抵抗組織、パレスチナ・イスラム聖戦運動も、今回の事件でパレスチナを侮辱し暴徒化したイスラエル支持者らに対抗したオランダ市民の行動を賞賛しました。一部の活動家によりますと、オランダの若者はオランダがイスラエルの占領地ではないと訴えています。

 

マッカビ・テルアビブの黒歴史と残虐行為への共謀

アナリストらは、今回の衝突の理由の一つはイスラエル側サッカーチーム・マッカビの黒歴史にあると考えています。マッカビ・テルアビブはイスラエルの著名なサッカークラブの一つであり、長年にわたりイスラエルの財政・政治的資源の恩恵を受けてきました。このクラブは、パレスチナ人の権利を軽視し、イスラエルの占領を正当化しようとする見解を、ある種の形で推進していることで知られています。

 


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