国連パレスチナ問題担当特別報告官:フランチェスカ・アルバネーゼ氏とは?
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フランチェスカ・アルバネーゼ氏
国連パレスチナ問題担当特別報告官のフランチェスカ・アルバネーゼ氏が、イスラエルや米国によるネガティブキャンペーンにもかかわらず、2028年までの任期で再任されました。
【ParsToday国際】アルバネーゼ氏は5日の国連人権理事会の会合で、パレスチナ問題担当特別報告官のポストに再任されました。アルバネーゼ氏はイスラエルによるパレスチナへの犯罪を常に批判してきたため、イスラエルや米国による不当な誹謗中傷にさらされてきましたが、この日の会合では同氏の再任に反対したのは米、イスラエル、アルゼンチン、ハンガリーのみで、それ以外の47カ国の賛成で3年後までの続投が決まりました。
キャリア
アルバネーゼ氏は1977年、イタリア生まれ。米ジョージタウン大学で国際法の教授も兼任しています。これまでに国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)などで働き、2022年から現在のパレスチナ問題担当特別報告官の職を務めています。
そして、2023年10月7日にイスラエルによるガザへの攻撃が始まると、アルバネーゼ氏はイスラエルの行動を「全面的なジェノサイド」と明確に非難しました。さらに、ジェノサイド条約に規定された5つの項目のうち少なくとも3つにイスラエルが違反していると指摘しました。こうしたことから、イスラエルはアルバネーゼ氏に対するあからさまな誹謗中傷を行い、さらにアルバネーゼ氏の夫についてもパレスチナ自治政府に協力したとして起訴しています。

多くの称賛
アルバネーゼ氏の精力的な活動には、多くの人権団体やパレスチナ支援団体が称賛を寄せています。イランのNGO「平和と環境」も今年、同国の環境活動家タキー・エブテカール氏の名にちなむ賞を授与しました。
米・イスラエルによる誹謗中傷
その一方で、イスラエルやアメリカは、アルバネーゼ氏を「反ユダヤ主義者」などと誹謗しています。イスラエルのダノン国連大使はアルバネーゼ氏について、「イスラエルだけでなく、すべてのユダヤ人に対して敵対的な発言を続けている」などと非難しました。
アルバネーゼ氏は2014年、アメリカを「イスラエルロビーの奴隷」と指弾。英BBCについても「イスラエルロビーと協力している」と批判しました。2023年10月7日に起きたハマスによる「アクサーの嵐」作戦についても、「長年にわたるイスラエルによる占領の結果」と指摘しています。
さらに、イスラエルのネタニヤフ首相をヒトラーに、イスラエルの政策をナチスになぞらえているほか、ガザを「21世紀最大の強制収容所」と形容しています。
