米がパレスチナの歴史的事実を変えようとしている理由とは?
-
米7州の議員らとヨルダン川西岸シオニスト入植地評議会議長ヨシ・ダガン氏との会合
米国の7つの州が、パレスチナ・「ヨルダン川西岸」の呼称を「ユダヤ・サマリア」に変更することを決定しました。
【ParsToday国際】米国の7州が、州の文書における「ヨルダン川西岸」の呼称の使用を禁止し、「ユダヤ・サマリア」の使用を強調する法案を可決しようとしています。この措置は、パレスチナ被占領地におけるシオニスト政権イスラエル占領軍の主権を強調するマイク・ハッカビー駐イスラエル米国大使の極端なアプローチや工作の結果によるものです。ハッカビー大使は、国際法に反してヨルダン川西岸に対する占領軍の主権を強調しています。この点に関して、ハッカビー大使は2015年に「イスラエル(政権)のユダヤ・サマリア(ヨルダン川西岸)に対する主張は、米国のマンハッタンに対する主張よりも強い」と述べています。
米国アーカンソー州が(1ヶ月半前に)州の公式文書で「ヨルダン川西岸」ではなく「ユダヤ・サマリア」の呼称の使用を義務付ける法律を可決したことを受け、他の7つの州もこの動きに加わりました。この合意は、ユタ州、テネシー州、アラバマ州、ルイジアナ州、アイダホ州、アイオワ州、オクラホマ州の下院議員と、ヨルダン川西岸シオニスト入植地評議会のヨシ・ダガン議長との会談の結果です。ダガン議長は、当該地域に対するシオニスト政権の正式な主権承認に対するの支持を得るための取り組みの一環として、この法律を推進してきました。
これは、米国議会におけるユダヤ・サマリア・ロビー団体が提出した州全体の法案の直接的な延長といえるものです。この法案は、クラウディア・テニー共和党下員議員が提案したもので、既に20名以上の議員が賛同しています。米下院外交委員会のブライアン・マスト委員長も最近、同委員会としても「ユダヤ・サマリア」という名称を採用する意向を表明しました。
この行動は、シオニストの目標達成のためにアメリカの政治構造に及ぼすシオニスト・ロビーの影響力を如実に表しています。西アジア問題に関するアメリカの外交政策形成過程において、シオニスト・ロビーの勢力と影響力は誰の目にも明らかであり、アメリカがイスラエル政権を贔屓する最も重要な要因として挙げられています。
この点にいて言及すべきもう一つの問題は、米国が「ヨルダン川西岸」という名称の歴史的背景を含む史実を無視・否定することにより、「ナイル川からユーフラテス川まで」というスローガンに沿ってシオニスト政権の領土拡張主義を正当化し、この地域をイスラエル占領地に完全に併合しようという同政権の試みを正当化しようとしていることです。